インサイドセールスの立ち上げは、①目的と対象商材を決める ②役割範囲と成果地点を決める ③ターゲットリストを絞る ④初回トークをA4一枚で作る ⑤担当者を決める ⑥記録の置き場所を決める ⑦固定枠で回して週1で振り返る、の7ステップで進めます。専任を置けない会社でも、兼任1人とスプレッドシート1枚から始められます。最初の90日で見るのは受注ではなく、商談を作れる型ができたかどうかです。

この記事で分かること

  • インサイドセールスを立ち上げる7ステップの手順と、ステップごとのつまずき
  • 担当者を兼任・異動・採用・外部・即戦力人材のどれで置くかの判断の仕方
  • 0〜90日の進め方と、週1回の振り返りで見ること

結論|インサイドセールスの立ち上げは7ステップ。最初は「絞る・話す・記録する」から

インサイドセールスの立ち上げは、7つのステップを上から順に片づければ形になります。「KPIの設計」「人材の採用」「SFAの導入」を序盤に置く進め方もありますが、専任を置けない会社がその順で進めると、設定と教育に時間を取られて、見込み客との接触がなかなか始まりません。先に決めるのは、当てる相手と話す内容、そして記録の置き場所です。人とツールは、回り始めてから足していきます。

表1:インサイドセールス立ち上げ7ステップの早見表(着手順・完了の判断用)。ステップ名から各手順の詳細へ移動できます

順 やること 所要の目安 完了の判断基準
1 目的と対象商材を1つに決める 1時間 「どの商材で、何を増やすのか」が1文で書けている
2 役割範囲と成果地点を決める 1〜2時間 「何をもって商談とするか」が文書になっている
3 ターゲットリストを絞って用意する 半日〜1日 1社ごとに「なぜ今この会社か」が書ける
4 初回トークをA4一枚で作る 1〜2時間 名乗り・質問1つ・次の日程提案の3点が入っている
5 担当者を決める 2〜3日 名前と、確保する時間枠が決まっている
6 記録の置き場所を1か所に決める 1時間 本人以外が見ても次の行動が分かる
7 固定枠で回し、週1で振り返る 週3.5時間ほど(継続) 固定枠がゼロの週を作っていない

注: 所要時間は、兼任の担当者1人で進める場合の目安として編集部が整理したものです。商材やリストの準備状況で変わります。

ステップ1〜4は合わせて2日ほどの作業量で、準備が完璧になるのを待つ必要はありません。ステップ5〜7は、回し続けるための仕組みです。以降では、まずインサイドセールスがどんな役割かを整理し、SDRとBDRのどちらから始めるか、着手前に決める3つを確認してから、7ステップを具体化します。

インサイドセールスとは|テレアポ・フィールドセールスとの違い

インサイドセールスは、訪問せずに電話・メール・オンライン商談で見込み客との接点を重ね、商談化までを担う内勤の営業です。テレアポは1回の架電でアポイントを取ることが目的で、架電数やアポ数で測られます。フィールドセールスは商談から受注までを担い、受注率や単価で測られます。インサイドセールスはその間に立ち、複数回の接点で関係を育てて、商談を作るところまでを受け持ちます。

立ち上げ前にこの線引きを社内で共有しておかないと、インサイドセールスが「電話をかける係」として扱われ、追いかけの連絡が評価されない体制になりがちです。

テレアポとインサイドセールスの成果地点やKPIの違いはインサイドセールスとテレアポの違いで、フィールドセールスへの引き渡しの決め方はフィールドセールスとはで詳しく扱っています。

表2:テレアポ・インサイドセールス・フィールドセールスの違い

観点 テレアポ インサイドセールス フィールドセールス
主な目的 その場でアポイントを取る 関係を育てて商談化につなげる 提案し、受注まで運ぶ
接点の回数 単発が中心 複数回の追いかけが前提 商談単位で継続
主な指標 架電数・アポ数 有効接触数・商談化率 受注数・受注率・単価
記録の使い方 結果の集計が中心 次の行動と状況を残して育てる 提案内容と決裁の進み方を残す
向いている場面 今すぐ検討したい相手を素早く拾う 検討中の相手を取りこぼさず育てる 条件を詰めて意思決定を進める

注: 役割の違いを一般的な分け方で整理した表です(編集部作成)。

テレアポとの違いは「1回で決めるか、複数回で育てるか」

どちらが優れているという話ではなく、狙う相手の検討段階で使い分けるものです。今すぐ導入したい相手が多い商材ならテレアポ型の進め方も合いますが、比較検討に時間がかかる商材ほど、接点を切らさずに育てる型が必要になります。断られた相手を「終わり」にせず、時期を改めて連絡する先として残せるかどうかが、実務での分かれ目です。そもそも電話がつながらない場合の原因と直し方は、テレアポが繋がらない3つの原因と直す順番で扱っています。

SDRとBDRのどちらから始めるか|反響の有無で決める

問い合わせなどの反響が月に数件でもあるならSDR(反響型)から、ほぼ無いならBDR(新規開拓型)から立ち上げます。両方を同時に始めないのが基本です。設計するものが違うため、同時に走らせると片方が中途半端になります。

表3:SDR(反響型)とBDR(新規開拓型)の立ち上げ時の違い

観点 SDR(反響型) BDR(新規開拓型)
活動の起点 問い合わせ・資料請求・セミナー参加などの反響 自社で作ったターゲットリスト
相手の状態 すでに何らかの関心を示している まだ自社を知らない・関心がない
立ち上げ時に設計するもの 対応の速さの基準・商談の引き渡しルール ターゲットの絞り込みと初回トークの流れ
立ち上げ初週にやること たまっている未対応の反響に古い順から当たる 既存顧客の共通点から対象を30〜50社に絞る
成果が見え始める早さ 比較的早い(関心がすでにあるため) 時間がかかる(接点づくりから始まるため)

注: 初週の社数などは、兼任1人で始める場合の進め方の例です(編集部作成)。

SDRから始める会社|内容より先に「返す速さ」を決める

手元に反響があるなら、まずそこを固めるのが定石です。すでに関心を示した相手のほうが話を聞いてもらいやすく、少ない工数で商談につながります。反響への対応は、一般に早いほど会話につながりやすいとされます。兼任で即時の対応が難しい場合も、「反響の一次対応は当日中、遅くとも翌営業日の午前まで」のような基準を1行決めておくだけで、取りこぼしは減らせます。

BDRから始める会社|1週目は件数より「当てる相手」を決める

反響がほとんど無い場合は、BDR型で小さく始めます。1週目にやるのは架電件数を積むことではありません。既存顧客の共通点(業種・従業員規模・導入のきっかけ)を洗い出し、その条件に合う企業を30〜50社だけ書き出します。1週目の目的は、想定していた課題が相手の言葉で返ってくるかを確かめることです。

中小企業では両者を厳密に分ける必要はなく、1人の担当者が「反響対応を最優先し、残った時間で新規のリストに当たる」という優先順位で兼ねる形も現実的です。

立ち上げ前に決める3つ|目的・役割範囲・ターゲット

着手前に言葉にしておくのは、目的・役割範囲・ターゲットの3つです。ここが曖昧なまま走ると「とりあえず電話している」状態になり、忙しいのに商談が増えません。反対に、この3つが決まっていれば担当者が1人でも回り始めます。

リード獲得 問い合わせ・資料請求 セミナー・ターゲットリスト (マーケ/自作リスト) インサイドセールス 電話・メール・オンラインで 接点を育て「商談を作る」 担当範囲=商談化まで フィールドセールス 商談〜クロージング 受注の獲得 (訪問・オンライン商談) リード 商談化 (定義を文書化) 失注・時期尚早のリードは追客リストへ戻す 役割範囲を「商談を作るまで」に絞る
図1:インサイドセールスの役割範囲と前後の引き渡し。受注まで背負わせず、「商談を作るまで」に絞るのが立ち上げの基本形です。

①目的|「どの商材で、何を増やすのか」を1文で書く

目的が「営業を強化する」では設計に落ちません。「主力のA商材で、初回商談を毎月安定して作る」のように、対象の商材と増やしたいものを1文にします。商材を複数にすると、トークもリストも分散して、何が効いたのかを確かめられなくなります。立ち上げ期は1商材に絞ってください。

②役割範囲|商談化までに絞り、受注は背負わせない

どこからどこまでを担うかを決めます。立ち上げ期は「商談化まで」に絞り、受注はフィールドセールス(訪問やクロージングの担当)に渡すのが回しやすい形です(図1)。1人に受注まで背負わせると、目の前の商談対応が優先され、追いかけの連絡が後回しになり、作ったリストが放置されます。時期が合わなかった相手を育て直す仕組みは、ツールなしで始めるリードナーチャリングの最小構成で解説しています。

③ターゲット|「業種×規模×役職×想定課題」を1文にする

誰に当てるかを、業種・企業規模・役職・想定課題のかけ算で1文にまとめます。たとえば「首都圏の従業員10〜50名の設備工事会社の経営者・工事部長で、職人の採用難に困っている層」と書けば、リストに入れるかどうかの判定基準と、トークで確かめる課題の仮説が同時に決まります。この1文が書けないうちは、まだ絞り込みが足りていません。対象を広げるのは、反応の良い型が見えてからで十分です。

インサイドセールス立ち上げの手順|7ステップを順に進める

7つのステップは、前のステップで作ったものが次のステップの材料になる順に並べています。準備が整いきるのを待たず、小さく回しながら直していきます。

上段=2日ほどで終わる準備(1〜4)/下段=続けるための仕組み(5〜7) 1 目的と商材 1商材に絞る/1時間 2 役割範囲と成果地点 商談の定義/1〜2時間 3 リストを絞る まず100件/半日〜1日 4 トークをA4一枚 質問を1つ入れる/1〜2時間 5 担当者を決める 兼任/異動/採用/外部 6 記録を1か所に シート1枚/1時間 7 固定枠+週1振り返り 週3.5時間ほどで継続 反応の良かったトーク・リストに寄せて、1回につき1要素ずつ直す
図2:立ち上げ7ステップの流れ。ステップ1〜4は準備、5〜7は続けるための仕組みで、週1回の振り返りからステップ3・4へ戻って直します。

ステップ1・2|対象商材を1つに決め、成果地点を文書にする

ステップ1(1時間)のやること:「どの商材で、何を増やすのか」を1文で書きます。売上に占める割合が大きい商材か、既存顧客の課題がはっきりしている商材のどちらかを1つ選んでください。
つまずきポイント:複数の商材を同時に載せることです。商材が増えるとトークもリストも分散し、反応が悪かったときに原因を特定できなくなります。

ステップ2(1〜2時間)のやること:担当範囲を「商談化まで」に絞り、「何をもって商談とするか」を文書に書きます。この定義がそのままフィールドセールスへの引き渡し基準になるので、ここでは暫定版を作り、運用しながら直します。初期値はSDRとBDRで変えます。SDRは相手がすでに関心を示しているため「検討時期・予算感・決裁の流れのいずれかを確認できている」まで求めてよく、BDRは接点づくりから始まるぶん「相手が課題を自分の言葉で話している」に緩めておくと、渡す側と受け取る側の期待がそろいます。
つまずきポイント:定義を口頭の合意で済ませることです。書いていないと認識がずれ、「あのアポは質が低い」という不満に育ちます。1文でいいので必ず文字にしてください。

ステップ3・4|リストを100件に絞り、初回トークをA4一枚で作る

ステップ3(半日〜1日)のやること:「立ち上げ前に決める3つ」で書いたターゲットの1文に合う企業を、まず100件ほど書き出します。数を追う前に、反応がありそうな層を定めるのが目的です。
つまずきポイント:広げすぎて「誰にでも当てはまる」リストになることです。1社ごとに「なぜ今この会社か」を一言書けるかどうかを基準にし、反応が薄いときは件数を増やす前に絞り込みを見直します。担当者の氏名やメールアドレスを載せたリストは個人情報に当たることがあり、名簿業者から買う場合も取得の経緯を確認して記録する義務がかかります。絞り込み条件の立て方と取り扱いの注意は、インサイドセールスのリストの優先順位づけと絞り込み条件で解説しています。

ステップ4(1〜2時間)のやること:初回の接触の目的を「売り込む」ではなく「次の接点をもらう」に置き、A4一枚分の話の流れを作ります。相手の課題を確かめる質問を1つ入れておくと、会話が続きます。

例文(骨子):「突然のお電話失礼いたします。◯◯(自社名)の△△と申します。□□業界の会社さまの新規開拓をご支援しておりまして、本日は情報提供のご案内でご連絡しました。ちなみに御社では、新規のお客様の獲得は今どのような方法で取り組まれていますか。」→(相手の状況をひと通り聞いたうえで)「ありがとうございます。それでしたら、同業の会社さまの取り組み例を15分ほどでご紹介できます。来週の前半と後半ですと、どちらがご都合よろしいでしょうか。」

入れる要素は、①名乗りと用件を短く言い切る、②相手が答えやすい質問を1つだけ置く、③締めを「次の接点の日程」に限る、の3つだけです。つまずきポイント:説明が長くなり、相手が話す余地がなくなることです。伝えることより、相手の状況を引き出すことを優先します。初回の会話で「次に進む理由」をどう渡すかは、商談化率を上げる初回アプローチの設計が参考になります。

ステップ5・6|担当者を名前で決め、記録を1か所に集める

ステップ5(2〜3日)のやること:誰がやるかを名前で決め、確保する時間枠まで押さえます。「手が空いた人がやる」にすると、忙しい時期に活動が止まります。兼任・社内異動・採用・外部に任せる・即戦力人材を入れる、のどれで置くかは、次の章の判断表で決めてください。
つまずきポイント:名前と時間枠のどちらかが決まっていない体制で始めることです。

ステップ6(1時間)のやること:リスト・対応の履歴・次の行動・次回の予定日を、1枚のスプレッドシートにまとめます。列は「会社名/担当者/最終接触日/状況/次の行動/次回予定日」の6つで足ります。本人以外が見ても状況が分かる状態にするのが目的です。
つまずきポイント:ツール選びを先に進めて満足することです。高機能なツールより、毎回埋まる記録の型が先です。ツールに移る目安は「0〜90日の進め方」の章で説明します。

ステップ7|固定枠で回し、週1で振り返る

やること:「1日30分・架電10件」のように無理なく続く量を決め、毎日同じ時間帯に固定枠(あらかじめ予定表に確保しておく作業時間)として押さえます。平日5日の30分と週1回・1時間の振り返りで、週3.5時間ほどです。振り返りでは、商談につながったトークとリストを見返し、反応の良かったほうに寄せていきます。
つまずきポイント:忙しい日に飛ばし、そのまま止まってしまうことです。量を落としてでも「毎日ゼロにしない」ことを優先します。もうひとつは、一度に多くを変えて何が効いたか分からなくなることで、変更は1回につき1要素に絞ります。

電話がつながらなかった相手に、用件だけの短いメールを送っておくと、次の架電で「先日メールをお送りした者ですが」と切り出せます。ただし広告や宣伝を目的とするメールは、原則として同意した相手にしか送れず、名刺でアドレスを受け取った相手や、ウェブサイトでアドレスを公表している事業者などが例外とされています(特定電子メール法)。公表アドレスでも受信を拒否する旨が併記されていれば例外に当たらず、配信停止を求められたら送ってはいけません。

担当者を内製・外注・人材アサインのどれで置くか

担当者の置き方は、「反響の量」「社内に営業経験者がいるか」「いつまでに商談が必要か」の3つで決めます。反響が少なく急がないなら兼任で型を作り、社内に経験者がいない、または期限が決まっているなら外部の手を借ります。どの形を選んでも、目的・商談の定義・ターゲットを決める役と、週1回の振り返りは社内に置いてください。

表4:インサイドセールス担当者の置き方(5つの選択肢)

選択肢 向いている状況 動き出すまで 注意点
兼任(既存の営業・内勤) 反響が少なく、まず型を試したい すぐ始められる 繁忙期に固定枠が消えやすい。時間帯の固定が要る
社内異動(専任にする) 商材知識が要る/既存顧客の対応経験者がいる 元の業務の引き継ぎが済んでから 元の業務が残り、実質は兼任になりがち
新規採用 商談を継続して必要とし、教える型ができている 募集から入社・独り立ちまで時間がかかる 型がないまま採ると、育成が教える人頼みになる
外部に任せる(営業代行) 社内に営業経験者がいない/期限が決まっている 契約と準備が済みしだい 丸投げすると型と記録が社内に残らない
即戦力人材を入れる(人材アサイン) 実行する人手が足りず、経験のある人に早く動いてほしい サービスごとに違うので契約前に確認する 契約の形によって、社内から指示できる範囲が変わる

注: 選択肢ごとの向き不向きを一般的な傾向として整理した表です(編集部作成)。期間や料金は依頼先によって異なります。

兼任で始めて、追いつかなくなったら人を足す

専任を置けない会社が、最初から人数をそろえる必要はありません。先に人を増やすより、兼任1人で型を作ってから増やすほうが、教える材料があるぶん立ち上がりが安定します。専任化や増員を考える目安は、1日30分の固定枠では追いかけの連絡が追いつかず、対応待ちの相手が毎週たまるようになったときです。

採用で埋めるなら、時間がかかる前提で計画する

営業の人材は採りにくい状況が続いています。厚生労働省『一般職業紹介状況』では、2026年7月の「営業職業従事者」の有効求人倍率は2.05倍(パートタイムを含む常用、原数値)で、職業計の1.05倍を上回っていますが、これはハローワークの求人と求職だけを数えた値です。採用を待つ間も兼任で型を作っておくと、入社した人にすぐ渡せます。

外部に任せるなら、社内に残すものを先に決める

外部に任せる場合の月額は、固定型で月40万〜80万円(InsideSales Magazine)、月50万〜70万円(BizFocus)を目安とし、業務範囲を広げると月60万〜120万円(グランドセントラル)とする媒体もあります。料金体系ごとの違いと成果の測り方は、インサイドセールスを外部に任せるときの料金体系別の目安にまとめています。

外部のインサイドセールス立ち上げ支援には、ターゲットやトーク、商談の定義づくりといった設計だけを手伝う形と、架電やメールなどの実行まで担う形があります。社内に担当者を置けるなら設計だけを借り、置けないなら実行まで任せる、という分け方にすると判断しやすくなります。どちらの場合も、依頼の前に「どのステップを社内でやり、どのステップを任せるか」を表1の7ステップに沿って書き出しておくと、見積りの範囲がそろい、比べやすくなります。

任せるときは、実行(架電・メール・日程調整)を外に出しても、目的・商談の定義・ターゲットと、記録の置き場所は社内で持ちます。記録が相手の手元にしか無いと、契約を終えたときに何も残りません。業務委託で任せる場合、発注側が相手のスタッフに直接指示を出すと偽装請負と判断されるおそれがあるため、指示はどこへ出すかも決めておきます。契約の形と指示の出し方は営業を業務委託で頼む方法で、外部の手を借りる時期の見極めは営業代行を入れるべきタイミングの見極め方で扱っています。

即戦力人材を入れる形もある

エイギョウブの実行支援メニューには、電話営業(BDR/SDR)と、最短数日で稼働する即戦力人材アサインがあります。LPでは、営業人員が足りない企業に即戦力人材をアサインしてインサイドセールスから受注までを担当し、3か月で新規商談41件・成約3件につながった事例を掲載しています(数値は対象期間・条件により異なります)。体制・期間・料金は、依頼の範囲によって変わるため、お見積りの際に確認してください。

0〜90日の進め方と振り返り|受注ではなく商談化で見る

90日は「準備2週間・実行6週間・型にする4週間」に分けて進めます。この期間に受注を判定の材料にしないのは、受注が出るまでの時間が商材によって大きく違い、90日では結果が出そろわないことが多いためです。見るのは、接触が積めているか、商談化につながる会話が増えているか、の2点です。

立ち上げの90日|準備2週間 → 実行6週間 → 型化4週間 Day 0〜14|準備 ステップ1〜4 目的と商材を1つに決める 成果地点(商談の定義)を書く リストを絞って100件 トークをA4一枚で作る Day 15〜60|実行 ステップ5〜7 担当者と時間枠を決める 記録をシート1枚に集める 毎日30分の固定枠で接触 週1で反応の良い型に寄せる Day 61〜90|型化 運用の固定と判断 引き渡し基準を確定する 戻すルールを運用に載せる 専任化・ツール移行を判断 勝ち筋を手順書に落とす この90日で追うのは受注ではなく「有効接触が積めているか」と「商談化率が動いたか」 ※専任を置ける会社は実行フェーズを短縮できるが、準備フェーズの順序は変えない
図3:立ち上げの0〜90日の進め方。表1が「何を終えれば完了か」、図3が「いつまでに終えるか」を示します。期間の区切りは兼任1人で始める場合の目安です。

Day 0〜14|準備はステップ1〜4まで

最初の2週間で、目的と商材、商談の定義、100件のリスト、A4一枚のトークまでをそろえます。ここで時間をかけすぎると、実際の反応を見る前に計画だけが膨らみます。迷ったら暫定版で決め、実行しながら直す前提で進めてください。

Day 15〜60|実行しながら、週1回だけ直す

担当者と時間枠を決め、固定枠で接触を始めます。週1回の振り返りでは、「接触できた数」「会話ができた数」「商談の定義を満たして渡せた数」の3つをシートから数え、どこで止まっているかを見ます。接触が少なければリストと時間帯を、会話が続かなければトークを、商談につながらなければ商談の定義とターゲットを見直します。指標の置き方と目標からの逆算はインサイドセールスの指標一覧と追い方で詳しく扱っています。

数字を見るときは、週ごとの増減に一喜一憂せず、2〜3週分を並べて傾向を見ます。立ち上げの初期は件数が少なく、1件の商談の有無で割合が大きく動くためです。直すのは止まっている段階の1か所だけにして、翌週の振り返りで効いたかどうかを確かめます。振り返りの記録には「何を変えたか」を1行残しておくと、後から反応の良かった型をたどれます。

Day 61〜90|引き渡し基準と戻すルールを固める

後半の1か月は、ステップ2で作った暫定の商談の定義を、フィールドセールスと一緒に見直して確定します。あわせて、商談で「時期が早い」と分かった相手をインサイドセールスに戻すルールを決めます。戻す相手には次に連絡する時期と理由を記録に残し、放置しないようにします。反応の良かったリストの条件とトークは、次に担当する人が読める手順書にまとめます。

ツールに移る目安は「シートで回らなくなったとき」

MA(メール配信や行動の記録)、SFA(商談の管理)、CRM(顧客情報の管理)は、最初からそろえなくても始められます。移る目安は、複数人で同じシートを触って更新漏れや重複が出る、次回予定日の抜けが毎週見つかる、反響の数が増えて手作業では対応の順番を決めきれない、といった状態になったときです。シートの6列で運用が固まっていれば、そのままツールの項目に置き換えられます。

よくある質問(FAQ)

インサイドセールスは兼任1人でも立ち上げられますか?
兼任1人でも立ち上げられます。条件は、担当者の名前と毎日の時間枠を決めること、役割を「商談化まで」に絞ること、反響がある場合はその対応を最優先にすることの3つです。1日30分の固定枠と週1回の振り返りで、週3.5時間ほどが目安になります。専任化を考えるのは、固定枠では追いかけの連絡が追いつかず、対応待ちの相手が毎週たまるようになってからで十分です。
インサイドセールスのツールは最初から必要ですか?
最初から必要ではありません。立ち上げ期は、会社名・担当者・最終接触日・状況・次の行動・次回予定日の6列を持つスプレッドシート1枚で足ります。ツールを先に選ぶと設定に時間を取られ、記録の型が固まる前に項目だけが増えがちです。複数人での更新漏れや重複、次回予定日の抜けが毎週出るようになったら、MAやSFA、CRMへの移行を検討します。
インサイドセールスの成果はいつ判定すればいいですか?
何日で判定できるという一律の日数はありません。受注までの期間は商材によって大きく違うためです。そのため90日の区切りでは受注ではなく、接触が積めているか、商談の定義を満たして渡せた数が増えているかで判断します。受注で見るのは、自社の過去の商談から受注までにかかった期間を確認し、その期間が過ぎてからにしてください。
インサイドセールスを外部に任せるなら、どこまで任せられますか?
架電やメール、日程調整といった実行は任せられますが、目的・商談の定義・ターゲットの判断と、週1回の振り返りは社内に残すのが基本です。記録も社内の置き場所に集めておくと、契約を終えても型が残ります。業務委託の場合は、発注側が相手のスタッフへ直接指示すると偽装請負と判断されるおそれがあるため、指示の出し先も契約前に決めておきます。料金体系の違いは別記事で整理しています。

まとめ|7ステップを兼任1人から回し、90日で型にする

インサイドセールスの立ち上げは、目的と商材、商談の定義、リスト、トーク、担当者、記録、固定枠と振り返りの7ステップを順に進めれば形になります。反響があるならSDRから、無いならBDRから始め、最初の2週間で準備をそろえます。

  • 着手前に、目的・役割範囲・ターゲットを1文ずつ書く
  • 担当者は名前と時間枠をセットで決め、兼任で型を作ってから人を足す
  • 外部や即戦力人材の手を借りても、商談の定義・ターゲット・記録は社内に残す
  • 90日は受注ではなく、接触と商談化が積めているかで見る

担当者を社内で置けない、期限までに商談を作りたい、という場合は、実行を外部に任せる形も含めて検討してください。

出典