営業代行の成果報酬の相場は、何を「成果」とするかで大きく変わります。アポイント1件あたりは1万5,000円〜2万円程度(Sales Marker、PRONIアイミツ)から1万〜3万円(グランドセントラル)までの幅があり、成約時の報酬は売上の20〜30%(グランドセントラル、アイドマ・ホールディングス)とする媒体と30〜50%(Sales Marker、PRONIアイミツ)とする媒体に分かれていて、定まった相場はありません。いずれも比較メディアや代行会社のコラムに載っている目安で、税区分の記載はありません。単価の安さだけで選ぶと、成果の定義があいまいなまま費用がふくらんだり、成果がゼロの月にも別の費目を払っていたりすることがあります。この記事では、成果地点ごとの相場を出典つきで並べ、完全成果報酬でも発生しやすい費用、固定報酬型と比べたときにどちらが安くなるかの分かれ目、契約で決めておくことまでを順に整理します。

  • アポ獲得・商談・成約など、成果地点ごとの成果報酬の目安と、その出典
  • 「初期費用0円」「完全成果報酬」でも見積もりに入ってくることがある費目と、契約前に確かめること
  • 固定報酬型・複合型と比べて、月に何件の成果が出たら支払額が逆転するかの試算のしかた

営業代行の成果報酬の相場早見表|成果地点ごとの目安

営業代行の成果報酬型とは、アポイントの獲得や受注など、あらかじめ決めた「成果」が出たときに費用を払う料金体系です。毎月決まった額を払う固定報酬型と違い、成果が出なければ成果報酬そのものは発生しません。そのため、営業の外注を初めて試す会社や、新しい商材の反応を小さく確かめたい会社が検討しやすい形です。ただし、成果報酬型を比べるときに最初に見るべきなのは金額ではなく、どの時点を成果とみなすかという「成果地点」です。

成果地点は受注に近いほど単価が上がる

成果地点は、架電やフォーム送信といった「行動」から始まり、アポイントの獲得、商談の実施、そして成約へと進みます。受注に近い地点を成果にするほど、代行会社は成果が出ないまま稼働するリスクを多く抱えることになるため、1件あたりの単価は高くなります。反対に、受注から遠い地点を成果にすると単価は下がりますが、支払った件数のうちどれだけが売上につながるかは発注側が負うことになります。次の表は、比較メディアと代行会社のコラムに載っている目安を成果地点ごとに並べたものです。

成果地点 課金の単位 掲載されている目安 出典名
アプローチ(行動量) 電話1件/フォーム・メール送信1件 電話200〜300円程度/フォーム・メール20〜200円程度 アイドマ・ホールディングス
アポイント獲得 アポイント1件 1万5,000円〜2万円程度 Sales Marker、PRONIアイミツ、BOXIL(主要34サービス調査)
アポイント獲得 アポイント1件 1万〜3万円 グランドセントラル
アポイント獲得(中小企業向け・低〜中単価の商材) アポイント1件 1万〜2万円程度 アイドマ・ホールディングス
アポイント獲得(大企業向け・決裁者指定) アポイント1件 3万〜5万円程度 アイドマ・ホールディングス、ローカルマーケティングパートナーズ
商談の実施 商談1件 1万5,000〜3万円(商談化1件3万〜5万円とする媒体もある) BOXIL(成果報酬型の営業代行14選)/ローカルマーケティングパートナーズ(テレアポ代行)
成約(売上に対する割合) 受注時の売上 20〜30%/30〜50%/10〜30%と媒体で割れる 20〜30%=グランドセントラル、アイドマ・ホールディングス/30〜50%=Sales Marker、PRONIアイミツ/10〜30%=BowNow
成約(定額) 受注1件 1万5,000〜10万円程度 アイドマ・ホールディングス

出典: 各社のコラム・比較記事の掲載値(いずれも税区分の記載なし。BOXILの34サービス調査は税区分が不明な製品を税抜として算出と注記)。取得日 2026-09-14。詳しくは記事末尾の出典一覧を参照。

表を見ると分かるとおり、同じ成果地点でも媒体によって数字がずれています。これはどれかが誤りというより、各媒体が参照した代行会社の料金や、想定している商材・相手企業が違うためです。アポイント1件については、複数の媒体の数字が重なる「1万5,000円〜3万円」あたりをひとつの目安として持ちつつ、自社の条件に近い行を当てはめて読むと実態に近づきます。

同じ「アポ1件」でも単価に幅が出る理由

アポイント1件の単価が数倍も違ってくるのは、主に3つの条件が単価に乗るからです。1つ目は成果の定義です。電話がつながって日程が入った時点をアポとするのか、決裁者が同席し、課題や予算のヒアリングまで済んだ商談だけを成果とするのかで、代行会社がかける手間はまったく違います。2つ目は相手企業の規模と役職です。アイドマ・ホールディングスのコラムでは、中小企業向けで低〜中単価の商材なら1件1万〜2万円程度、大企業や決裁者を指定すると3万〜5万円程度とされています。ローカルマーケティングパートナーズのコラムでも、中堅〜大企業向けは3万〜5万円、中小企業向けのシンプルな商材は1万5,000円〜2万円が目安とされています。3つ目は商材の分かりにくさで、説明に前提知識が要る商材ほど、話を聞いてもらえる状態にするまでの工数が増えます。

見積もりを比べるときは、単価の数字だけを横に並べるのではなく、「そのアポは誰と、どんな状態で会えるものか」をそろえてから比べてください。単価が2倍でも、決裁者と会える確度が高く受注までの率が高ければ、受注1件あたりの費用はかえって安くなることがあります。

成約時の売上比率は「定まった相場がない」と考える

成約を成果地点にする場合、受注したときの売上に対して一定の割合を払う形(レベニューシェア)が多く紹介されています。ただし、その割合は媒体によって大きく割れています。グランドセントラルとアイドマ・ホールディングスは売上の20〜30%、Sales MarkerとPRONIアイミツは30〜50%、BowNowは10〜30%としており、並べると10〜50%まで開きがあります。どれか1つを「相場」と考えるのは避け、商材と契約内容しだいで大きく変わるものとして扱うのが安全です。グランドセントラルのコラムでは、粗利率が高い商材や継続課金型のサービスは報酬の割合が上がりやすいと説明されています。

割合の違いは、金額にすると大きな差になります。仮に受注1件の売上が300万円の商材なら、20%で60万円、30%で90万円、50%で150万円です。さらに、割合をかける「売上」が初回の取引だけなのか、継続して発生する売上も含むのか、税抜の金額なのか粗利なのかによっても支払額は変わります。成約報酬の話が出たら、割合と同じくらい「何に対する割合か」を確かめてください。なお、割合ではなく受注1件ごとの定額にする場合は、アイドマ・ホールディングスのコラムで1件1万5,000〜10万円程度という目安が示されています。

複合型(固定費+成果報酬)の目安

成果報酬だけで引き受けると代行会社の負担が大きくなる商材では、月額の固定費に成果報酬を上乗せする複合型がよく使われます。Sales Marker、PRONIアイミツ、BowNowは固定部分を月額10万〜50万円としており、グランドセントラルのように固定部分を月額20万〜50万円とする媒体もあります。ローカルマーケティングパートナーズのコラムでは、基本料金でリストの精査やスクリプト作成、週次レポートなどの最低限の稼働をまかない、成果報酬でアポ獲得の動機を持たせる設計だと説明されています。料金体系ごとの相場と正社員を雇った場合との比較は、営業代行の費用相場と費用対効果の見極め方で詳しく整理しています。インサイドセールスを丸ごと任せる場合の料金はインサイドセールス代行の費用相場をご覧ください。

完全成果報酬に隠れやすい費用|「月額0円」でも確かめる5つの費目

「完全成果報酬」「初期費用0円」と紹介されているサービスでも、成果報酬以外の費用が契約書や料金ページに書かれていることがあります。確かめたいのは単価ではなく、「成果が1件も出なかった月にいくら払うことになるか」と「成果が出た月に合計いくら払うか」の2つです。

初期費用の幅も大きく、BOXILが営業代行の主要34サービスを調べた記事では、初期費用を公開している6社の中央値が16万2,500円、幅は0円から100万円でした。BOXILの成果報酬型サービスの紹介記事では、固定費用と成果報酬を組み合わせる場合の初期費用を10万〜30万円前後、月額固定費を5万〜10万円前後としています。BowNowのコラムでも、成果報酬型でもプロジェクトの難易度が高い場合は「初期設定費」として数十万円を求める会社があると書かれています。

費目の組み立て方が分かる例として、アイランド・ブレインの公式の料金ページを見ると、商談1件につき2万円(税別)の成果報酬に加えて、提供された商談から受注した場合に1回目の取引の売上の約3〜5%を成約報酬として払うこと、新規プロジェクトの開始時に初回のみのプロジェクト費用21万6,000円(税込)がかかることが明記されています。これは1社の料金で相場ではありませんが、「月額固定費はかからない」ことと「成果報酬以外の費用がない」ことは別だと分かる例です。費目が料金ページに明記されていれば、他社の見積もりとも比べやすくなります。

費目 発生しやすい場面 契約前に確かめること
初期費用・プロジェクト費用 台本づくりやリスト設計など、立ち上げの準備が必要なとき 金額、含まれる作業、部署や商材を増やしたときに再度かかるか
月額の管理費・固定費 報告や運用管理をセットにする複合型のとき 成果がゼロの月も発生するか、固定分で何をしてもらえるか
リスト作成・データ費 狙う企業の母数が少なく、リストを一から作るとき 成果報酬に含まれるか、別請求か、作ったリストを自社に残せるか
成約報酬(アポ・商談課金への上乗せ) アポや商談の単価とは別に、受注時の報酬を設定する契約 割合をかける対象(初回か継続か、売上か粗利か)、対象期間
最低契約期間・中途解約の条件 体制づくりに時間がかかる委託 最低期間、途中でやめるときの違約金の有無と金額、通知の期限

出典: 費目の例はBOXIL(主要34サービス調査・成果報酬型の営業代行14選)、BowNow(成果報酬型の営業代行)、アイランド・ブレイン 料金体系の記載をもとにエイギョウブ編集部が整理。取得日 2026-09-14。

最低契約期間と中途解約の条件を先に聞く

契約期間の縛りも、成果報酬型だから必ず短いとは限りません。月額固定型では3〜6か月が一般的とする媒体が多く(BOXIL、BowNow、ローカルマーケティングパートナーズ)、成果報酬型については、BowNowのコラムで「最低商談1件から対応する会社もあれば、最低3か月以上の契約を求める会社もある」と説明されています。途中で解約するときの違約金の有無や金額は会社ごとに違うため、見積もりの段階で書面に残る形で確認してください。複合型の場合は、固定費の部分に最低期間がつくことが多いので、成果が出なかったときに何か月分の固定費を払う可能性があるかを計算しておくと安心です。

見積もりは「成果ゼロの月」と「想定どおりの月」の2通りで比べる

複数の会社から見積もりを取ったら、成果が1件も出なかった月の支払額と、想定した件数の成果が出た月の支払額を、同じ条件で並べてみてください。初期費用や固定費がある会社は、成果ゼロの月の数字が大きくなります。一方で成果報酬の単価が高い会社は、想定どおりに成果が出た月の数字が大きくなります。どちらが良いかは、成果が出るまでの期間をどれだけ見込むかで変わります。初期設定費が明示され、その分だけ設計に手が入る契約は、不利とは限りません。判断の軸は「無料かどうか」ではなく、払う費用に何が返ってくるかです。発注前によく起きるつまずきと避け方は、営業代行でよくある失敗とトラブルにまとめています。

固定報酬型との損益分岐|月の成果件数で安い方が入れ替わる

成果報酬型と固定報酬型のどちらが安いかは、月に何件の成果が出るかで入れ替わります。成果が少ないうちは成果報酬型の支払いが小さく、成果が増えるほど、月額が一定の固定報酬型のほうが1件あたりでは割安になります。まず、3つの料金体系の違いを整理します。

観点 成果報酬型 固定報酬型 複合型
費用の出方 成果の件数に比例して増える 毎月一定 固定費+成果の件数分
掲載されている目安 アポ1件1万5,000円〜2万円程度ほか(上の早見表) 営業担当者1人あたり月50万〜60万円程度とする媒体が多い(Sales Marker、PRONIアイミツほか) 固定部分が月10万〜50万円+成果報酬(Sales Marker、PRONIアイミツ、BowNow)
向いている目的 小さく試す、商談の数を短期で増やす 営業のやり方を検証し、改善を積み上げる 稼働の安定と成果への動機を両立させる
注意したい点 成果の質のばらつき、件数が増えたときの総額 成果が出なくても費用が発生する 条件が複雑になり、比較しにくい

出典: 目安の数字はSales Marker、PRONIアイミツ、BowNowの掲載値(税区分の記載なし)。取得日 2026-09-14。

参考として、当メディアを運営するLongWaveでは、2026年7月時点で進行中の営業支援契約31件のうち、月額固定型が17件、成果報酬型が11件、人材アサイン型が3件でした。月額固定型17件の月額は22万〜176万円(税込)で、月33万円前後の契約が多く、業務範囲を絞った契約は月22万円台からあります。これは当社の実契約の数字で、上の表の相場(各媒体の掲載値・税区分の記載なし)とは数え方が違うため、並べて読むときは注意してください。

仮に月額50万円とアポ単価2万円なら、月25件で並ぶ

損益分岐は、数字を仮に置けば簡単に出せます。ここでは、固定報酬型を月額50万円(営業担当者1人あたり月50万〜60万円程度という掲載値の下限にそろえた仮定)、成果報酬型をアポ1件2万円、複合型を固定費月額20万円+アポ1件1万5,000円と置きました。どれも計算のための仮の数字で、特定の会社の料金ではありません。

月のアポ件数 成果報酬型(2万円×件数) 固定報酬型(月額50万円) 複合型(20万円+1万5,000円×件数)
0件 0円 50万円 20万円
10件 20万円 50万円 35万円
20件 40万円 50万円 50万円
25件 50万円 50万円 57万5,000円
30件 60万円 50万円 65万円
40件 80万円 50万円 80万円

出典: エイギョウブ編集部による試算(数字はすべて仮定。固定報酬型の月額はSales Marker・PRONIアイミツの「1人あたり月50万〜60万円」の下限、アポ単価は早見表の目安の範囲から置いた)。

この仮定では、成果報酬型と固定報酬型は月25件で支払額が並びます(50万円÷2万円=25件)。月10件なら成果報酬型は20万円で済み、月40件なら成果報酬型は80万円となって固定報酬型より30万円高くなります。複合型は月20件で固定報酬型と並び、月40件で成果報酬型と並びます。つまり、月の件数が少ないと見込むなら成果報酬型、中くらいなら複合型、多く見込めるなら固定報酬型が安くなりやすい、という関係です。

総支払額はどこかで逆転する(固定 vs 成果報酬) 総支払額 獲得した成果数 → 損益分岐点 例:仮にアポ単価2万円・固定の月額50万円なら、月25件で支払額が並ぶ 固定報酬型(月額一定) 成果報酬型 (成果数×単価) 成果が少ない=成果報酬型が安い 成果が多い=固定型が割安
図:獲得した成果数に対する総支払額の比較(イメージ)。交差する件数は単価と固定額で変わるため、自社の想定件数で試算して比べる(エイギョウブ編集部作成)

ただし、この比較には前提があります。固定報酬型で月に何件の成果が出るかは、契約時点では決まっていません。固定報酬型の見積もりを取るときは、想定している稼働量(架電数や訪問数)と、そこから見込める件数の考え方を聞き、同じ件数で比べられる状態にしてください。また、成果報酬型は件数が増えるほど支払いも増えるため、予算の上限を決めておかないと、成果が出た月ほど想定外の請求になります。

成果報酬の上限単価は、受注までの率から逆算する

アポ単価が妥当かどうかは、単価だけを見ても判断できません。グランドセントラルのコラムでも、アポの出席率、有効商談へ進む割合、商談から受注につながる割合を掛け合わせて、自社で許容できる上限単価をつかむ考え方が紹介されています。

たとえば、仮にアポ10件から1件受注できる商材で、受注1件の粗利が100万円だとします。アポ単価が2万円なら、受注1件を得るための成果報酬は20万円で、粗利の2割にあたります。アポ単価が5万円なら50万円で、粗利の半分です。自社で「受注1件のために営業費用をいくらまでかけられるか」を先に決めておくと、そこから逆算して、払ってよいアポ単価の上限が出ます。受注までの率が分からない場合は、控えめな数字を置いて試算し、稼働を始めてから実績で置き換えていく進め方が現実的です。

成果の定義と契約で決めること

成果報酬型の契約で後から食い違いが起きやすいのは、「何を成果として数えるか」と「数えない場合の条件」があいまいなときです。単価の交渉より先に、成果の条件を文章で合意しておくことが、費用と成果の質の両方を守ります。

たとえば「アポ1件」とだけ決めた場合、日程は入ったが当日キャンセルになったもの、担当者レベルとの面談で決裁者が同席しなかったもの、狙っていた業種や規模から外れた企業との面談を、成果として数えるかどうかで意見が分かれます。グランドセントラルのコラムでは、決裁者の同席、予算や課題など必要なヒアリングの完了、日程の正式な確定を満たした状態を「有効商談」の例として挙げ、有効商談の基準を契約時に明確にすることを勧めています。次の表は、契約前に合意しておきたい項目をまとめたものです。

決める項目 具体的に決める内容
成果の条件 相手の役職(決裁者の同席が必要か)、事前に聞いておく項目、日程の確定方法、対象とする業種・規模・エリア
成果として数えない場合 当日キャンセルや日程変更、対象外の企業、既存の取引先や商談中の企業との重複、発注側が申し出る期限
成約報酬の算定 割合をかける金額(売上か粗利か、税抜か)、初回の取引だけか継続分も含むか、代行会社が関わった案件と判断する期間
件数と金額の上限 月あたりの成果件数の上限、または支払額の上限
記録と報告 通話の録音やヒアリング内容の共有方法、顧客管理システムへの登録、報告の頻度
請求と支払い 締め日と支払日、成果の確定日(アポ獲得時か商談実施後か)

出典: 有効商談の条件、記録の共有、上限設定の考え方はグランドセントラルのコラムを参考に、エイギョウブ編集部が整理。取得日 2026-09-14。

成果の条件を厳しくすれば、単価は上がりやすくなります。代行会社にとっては成果として数えられる件数が減るからです。条件を厳しくして単価を上げるか、条件をゆるめて単価を抑え、そのぶん発注側で商談の見極めをするか。どちらを選ぶかを決めてから見積もりを取ると、会社ごとの提示条件を比べやすくなります。問い合わせから契約、稼働開始までの手順は営業代行を依頼する流れで解説しています。

代行会社のスタッフへの指示は、代行会社を通して伝える

成果報酬型でも、営業を業務委託として頼む以上、日々のやり取りの仕方には注意が必要です。厚生労働省の疑義応答集では、営業を請け負ったスタッフからの問い合わせに発注側が業務に必要な範囲で情報を提供するだけなら、直ちに労働者派遣事業とはされない一方、発注側が顧客への営業上の対応方針などをスタッフに直接指示している場合は労働者派遣事業と判断されるとしています。トークの修正や狙う企業の変更などの要望は、代行会社の責任者に伝え、代行会社からスタッフに指示してもらう形にしておきましょう。

個人の営業フリーランスに成果報酬で頼む場合

会社ではなく、従業員を使用しない個人の営業フリーランスに成果報酬で営業を委託する場合は、フリーランス・事業者間取引適正化等法の対象になります。業務を委託したら、直ちに業務の内容・報酬の額・支払期日などを書面または電磁的方法で明示する必要があり、この義務は従業員のいない発注者にもかかります。従業員を使用する会社など(法律上の「特定業務委託事業者」)が発注する場合は、役務の提供を受けた日から60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を定めることも求められます。成果報酬の条件はそのまま報酬の額の決め方になるので、成果の定義を明示の内容に入れておくと、後の食い違いを防げます。

成果報酬が向く商材・向かない商材

成果報酬型が合うかどうかは、発注側の予算の都合だけでなく、代行会社から見て成果が出やすい商材かどうかで決まります。成果が出なければ代行会社の売上はゼロになるため、成果が出にくい商材ほど、単価が高く設定されやすく、成果報酬だけでは代行会社にとって引き受けにくい条件になります。

観点 成果報酬が向きやすい 成果報酬が向きにくい
狙う相手 業種や規模がはっきりしていて、対象企業の数が多い 対象企業が限られ、リストを一から作る必要がある
商材の分かりやすさ 短い説明で課題と価値が伝わる 前提知識や個別の提案がないと話が進まない
成果の判定 アポや商談の条件を客観的に決められる 成果として数えるかどうかが担当者の感覚に左右される
受注までの期間 検討期間が短く、成果が早く確定する 検討に数か月以上かかり、成約課金だと支払いの確定まで長い
粗利 受注1件の粗利が大きく、アポ単価を払っても採算が合う 単価が低く、アポ単価を払うと利益が残らない
発注側の受け皿 獲得したアポにすぐ対応できる営業担当がいる アポが増えても商談に出る人がいない

出典: エイギョウブ編集部による整理(相場の数字は含まない)。

成約課金が難しくなりやすいケース

成約を成果地点にする契約は、支払いと成果が最もはっきり結びつく一方で、条件をそろえるのが難しい形です。受注できるかどうかは、代行会社の働きだけでなく、発注側の提案内容や価格、納期の対応にも左右されます。検討期間の長い商材では、代行会社が関わってから受注が決まるまでに数か月かかり、その間は代行会社に報酬が入りません。また、成約報酬を正しく計算するには、受注の有無や金額を代行会社と共有する必要があります。こうした事情から、成約課金を検討するときは、アポ獲得や商談の実施を成果にする形や、固定費と組み合わせる複合型もあわせて見積もりを取り、比べるのが現実的です。

固定報酬型を選んだほうがよい場合

自社の営業のやり方そのものがまだ固まっておらず、どの業種に、どの言い方で当たれば反応があるかを検証したい段階では、成果の件数ではなく稼働量で払う固定報酬型のほうが合うことがあります。成果報酬型では、代行会社は成果が出やすい相手や言い方に集中するのが自然なので、反応が悪かった業種や断られた理由のような検証の材料は残りにくくなることがあります。報告の中身まで含めて検証を任せたいなら、固定報酬型か複合型で、報告の項目を契約で決めておくとよいでしょう。業種や商材の条件から営業代行そのものが合うかを見分けたい場合は、営業代行が向いている業種・向かない業種も参考になります。

よくある質問(FAQ)

完全成果報酬の営業代行なら、初期費用は本当にかかりませんか?
初期費用がかからない会社もありますが、完全成果報酬とうたっていても成果報酬以外の費用が設定されている場合があります。BOXILの主要34サービス調査では、初期費用を公開している6社の中央値が16万2,500円で、幅は0円から100万円でした。BowNowのコラムでも、難易度の高いプロジェクトでは初期設定費として数十万円を求める会社があるとされています。見積もりでは、初期費用、月額の管理費、リスト作成費、成約報酬の上乗せ、最低契約期間の5つを確かめてください。
成果報酬は売上の何パーセント、アポ1件いくらが目安ですか?
成約時の売上比率には定まった相場がなく、20〜30%(グランドセントラル、アイドマ・ホールディングス)とする媒体と、30〜50%(Sales Marker、PRONIアイミツ)とする媒体があります。アポイント1件は1万5,000円〜2万円程度(Sales Marker、PRONIアイミツ)から1万〜3万円(グランドセントラル)まで幅があり、決裁者指定など条件が厳しいと3万〜5万円程度(アイドマ・ホールディングス)とされています。いずれも税区分の記載はありません。自社の粗利と受注までの率から、払える上限を逆算して判断するのが確実です。
成果報酬型と固定報酬型では、どちらが安くなりますか?
月に何件の成果が出るかで入れ替わります。仮に固定報酬型が月額50万円、成果報酬型がアポ1件2万円なら、月25件で支払額が並び、それより少なければ成果報酬型、多ければ固定報酬型が安くなります。固定報酬型の月額は、営業担当者1人あたり月50万〜60万円程度とする媒体が多いです(Sales Marker、PRONIアイミツほか)。自社で見込める件数を控えめに置き、両方の見積もりを同じ件数で比べてください。
成果報酬型で質の低いアポが来た場合、支払いを断れますか?
断れるかどうかは、契約で成果の条件と「成果として数えない場合」をどう決めたかで決まります。決裁者の同席、事前に聞く項目、日程の確定、対象とする業種や規模などを成果の条件として書面で合意し、当日キャンセルや対象外の企業を数えない条件と、発注側が申し出る期限もあわせて決めておきましょう。条件を決めていないと、発注側が質が低いと感じても、契約上は成果として請求される可能性があります。
成果報酬型でも最低契約期間はありますか?
会社によって異なります。BowNowのコラムでは、最低商談1件から対応する会社もあれば、最低3か月以上の契約を求める会社もあると説明されています。固定費を組み合わせる複合型や月額固定型では、3〜6か月を最低期間とする媒体が多く(BOXIL、BowNow、ローカルマーケティングパートナーズ)、途中で解約するときの違約金の有無や金額も会社ごとに違います。契約前に最低期間と解約条件を書面で確認してください。

まとめ

営業代行の成果報酬の相場は、成果地点によって大きく変わります。アポイント1件は1万5,000円〜2万円程度から1万〜3万円まで、決裁者指定などでは3万〜5万円程度という掲載値があり、成約時の売上比率は20〜30%とする媒体と30〜50%とする媒体に分かれていて、定まった相場はありません。完全成果報酬とうたうサービスでも、初期費用や成約報酬の上乗せ、最低契約期間などが設定されていることがあるため、「成果ゼロの月にいくら払うか」「想定どおりの月に合計いくらか」の2通りで見積もりを比べてください。

成果報酬型と固定報酬型のどちらが安いかは、月の成果件数で入れ替わります。自社の粗利と受注までの率から払える単価の上限を決め、成果の条件と成果として数えない場合の条件を契約で合意しておけば、単価の数字に振り回されずに料金体系を選べます。

出典

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