士業が営業代行を使うこと自体を禁じる条文は、確認した範囲では見つかりません。問題になり得るのは、資格のない者が法律事務や書類作成を扱う形、依頼者の紹介に対価を払う形(弁護士・司法書士の会規)、資格のないまま業務を行う者などからあっせんを受ける形(社労士法・税理士会の綱紀規則など)、不正・不当な手段で依頼を誘致する形の4つです。代行に任せるのは面談の設定までにし、相談への回答と受任の判断は資格者が行うと、線を引きやすくなります。この記事は、弁護士・税理士・社会保険労務士・司法書士・行政書士の事務所で、依頼を増やすために営業代行を使えるかを確かめたい所長・経営者のために書いています。士業事務所へ商品やサービスを売り込む企業の営業については扱いません。
この記事で分かること
- 「士業の営業代行は違法か」という疑問を、法律と各士業会の会規で確かめられる範囲で整理した4つの形
- 弁護士・社労士・司法書士・税理士・行政書士ごとに確認できた規定と、個別に確認する先
- 月額固定・面談1件ごと・受任1件ごとの報酬の形で変わる確認点と、代行に任せる工程・事務所に残す工程の分け方
士業の営業代行は違法か|禁じられているのは「使うこと」ではなく4つの形
「士業の営業代行は違法ですか」は、検索でもよく出てくる質問です。弁護士法、社会保険労務士法、司法書士法の施行規則、税理士法、行政書士法とその施行規則、そして弁護士会・司法書士会・税理士会の会規を確認した範囲では、営業代行会社に見込み客への連絡や面談の設定を頼むこと自体を禁じた規定は見つかりませんでした。一方で、次の4つの形は条文や会規で禁じられているか、規定との関係が問題になり得ます。
- 資格のない者が、報酬を得て法律事務や書類作成などの士業の業務を扱う形
- 依頼者を紹介してもらったことに対して、事務所が対価を払う形
- 資格のないまま士業の業務を行う者などから、事件のあっせんを受ける形
- 重要な事項について事実と違うことを告げるなど、不正・不当な手段で依頼を誘致する形
「違法ではない」とも「違法だ」とも言い切れないのは、同じ営業代行でも、担当者が実際に何をするか、報酬が何に対して払われるかによって当てはまる規定が変わるためです。ここからは、4つの形を順に見ていきます。
資格のない者が法律事務や書類作成を扱う形
弁護士法72条は、弁護士・弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で法律事件に関する法律事務を取り扱うことや、その周旋をすることを業とするのを禁じています。違反は2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。行政書士法19条も、行政書士・行政書士法人でない者が、他人の依頼を受けて報酬を得て、官公署に提出する書類の作成などの行政書士の業務を業として行うことを禁じています(他の法律に別段の定めがある場合などを除く)。税理士法52条は税理士でない者の税理士業務を禁じ、社会保険労務士法27条は社労士でない者が報酬を得て社労士業務を業として行うことを禁じています。
営業代行の担当者が相談の中身に答えたり、書類の作成を手伝ったりする運用は、こうした規定との関係を問われかねません。
紹介に対価を払う形と、無資格で業務を行う者からあっせんを受ける形
弁護士と司法書士は会規で、依頼者の紹介を受けたことへの対価の支払いを禁じています。社労士と税理士には、無資格で業務を行う者などからあっせんを受けることを禁じる規定があり、弁護士法27条も72条などの違反者から事件の周旋を受けることを禁じています。中身は次の章の表で並べます。
不正・不当な手段で依頼を誘致する形
社労士は、依頼を誘致するときに、業務の内容や報酬など依頼者の判断に影響する重要な事項について不実のことを告げたり、故意に事実を告げなかったりしてはならないとされています(社会保険労務士法施行規則12条の11)。司法書士法施行規則26条は不当な手段で、行政書士法施行規則6条2項は不正または不当な手段で、依頼を誘致する行為を禁じています。弁護士については、日弁連の業務広告規程が、事実に合致しない広告、誤導・誤認のおそれのある広告、誇大な広告などを禁じています。営業代行の台本や送る文面も、事務所の名前で依頼を募るものです。事務所自身の広告と同じ基準で中身を確かめておきましょう。
資格ごとに確認できた規定|法律だけでなく所属会の会規まで見る
士業の集客に関わる規定は、法律と施行規則のほかに、弁護士会・司法書士会・税理士会などの会規にも置かれています。会規は各会の会員が守るルールで、法律の条文だけを見ても分かりません。確認できた規定を資格ごとに並べると、次のとおりです。
| 資格 | 確認できた条文・会規 | 問題になり得る形 | 個別に確認する先 |
|---|---|---|---|
| 弁護士 | 弁護士法 72条・27条・77条/弁護士職務基本規程 11条・12条・13条/弁護士等の業務広告に関する規程 3条・11条/業務広告に関する指針 | 非弁活動を行う者からの事件の周旋や名義の利用、依頼者の紹介への対価の支払い、弁護士でない者との報酬の分配、事実に合致しない・誤導のおそれのある・誇大な広告 | 所属の弁護士会 |
| 社会保険労務士 | 社会保険労務士法 23条の2・26条・27条/同法施行規則 12条の11/茨城県社会保険労務士会のFAQ(県の会の回答で、全国社会保険労務士会連合会の見解ではない) | 社労士の名称を無資格で使う者や無資格で社労士業務を行う者からのあっせん受け、重要事項について不実を告げる依頼の誘致、紹介料型の集客(県の会のFAQが23条の2に抵触すると回答) | 所属の社会保険労務士会 |
| 司法書士 | 司法書士法施行規則 26条/日本司法書士会連合会「司法書士行為規範」12条・13条 | 不当な手段による依頼の誘致、名目を問わない依頼者の紹介への対価の支払い、法令に違反して業務を行う者との提携やその者からのあっせん受け | 所属の司法書士会 |
| 税理士 | 税理士法 37条の2・52条/日本税理士会連合会「○○税理士会綱紀規則(準則)」23条・24条 | 無資格で税理士業務を行う者などへの名義貸し、そうした者やその疑いのある者からの業務上のあっせん受け(有償・無償を問わない)。紹介料一般を禁じる規定は確認した資料に見つからない | 所属の税理士会(綱紀規則は準則をもとに各会が定める) |
| 行政書士 | 行政書士法 10条・19条/行政書士法施行規則 6条2項 | 不正・不当な手段による依頼の誘致、信用や品位を害する行為、行政書士でない者による書類作成などの業務。紹介料一般を禁じる条文は確認した範囲に見つからない | 所属の行政書士会 |
出典: e-Gov法令検索(弁護士法・社会保険労務士法・同法施行規則・司法書士法施行規則・税理士法・行政書士法・行政書士法施行規則)、日本弁護士連合会「弁護士職務基本規程」「弁護士等の業務広告に関する規程」「業務広告に関する指針」、日本司法書士会連合会「司法書士行為規範」、日本税理士会連合会「○○税理士会綱紀規則(準則)」、茨城県社会保険労務士会「よくある質問」。2026-09-14〜15確認
弁護士と司法書士は、紹介の対価を会規で禁じている
日弁連の弁護士職務基本規程13条は、弁護士が依頼者の紹介を受けたことに対して謝礼その他の対価を支払うことと、紹介したことに対して対価を受け取ることを禁じています。同じ規程は、弁護士法72条などに違反する者やその疑いがある者から依頼者の紹介を受けたり、そうした者を利用したりすることも禁じ(11条)、正当な理由がある場合などを除いて、報酬を弁護士でない者と分配することも禁じています(12条)。広告の面では、業務広告規程が広告業者との契約書や入出金の記録の保存を定めており(該当部分は令和8年7月1日施行)、業務広告に関する指針は、非弁活動を行う者と提携関係にある弁護士の広告を規程違反の例に挙げています。
司法書士では、日本司法書士会連合会の司法書士行為規範12条が、名目を問わず、依頼者の紹介を受けたことへの対価の支払いと、紹介したことへの対価の受け取りを禁じています。13条は、法令に違反して業務を行う者と提携することや、その者から事件のあっせんを受けることを禁じています。依頼者の紹介に対価を払う形の集客契約は、弁護士・司法書士ともにこれらの規定との関係が問題になり得ます。ただし、具体的な契約が当たるかどうかは個別に判断されます。
社労士は、紹介料型の集客を県の社労士会が問題視している
社会保険労務士法23条の2は、社労士でないのに社労士の名称を使う者(26条違反)や、社労士でないのに報酬を得て社労士業務を業として行う者(27条違反)から事件のあっせんを受けたり、その者に名義を利用させたりすることを禁じています。
紹介料を払う集客について、茨城県社会保険労務士会のFAQは、企業が社労士事務所を紹介して社労士事務所から紹介料を受け取る行為は23条の2に抵触すると回答しています。同じFAQは、知人や取引先から顧客を紹介される場合は該当しないとも述べています。ただし、これは県の会の回答で、全国社会保険労務士会連合会の見解は確認した範囲に見つかりませんでした。また、23条の2の文言は26条・27条に違反する者からのあっせんに限られているため、無資格の業務を行わない営業代行会社への紹介料が同条に当たるかは解釈が分かれ得ます。社労士の事務所が報酬を件数に連動させる場合は、所属の社会保険労務士会に先に確認してください。
税理士と行政書士は、紹介料一般を禁じる規定が見つからない
税理士法37条の2は、税理士が、税理士でない者による税理士業務の禁止(52条)などに違反する者に自分の名義を利用させることを禁じています。日本税理士会連合会の綱紀規則(準則)は、52条などに違反する者やその疑いのある者から、有償・無償を問わず業務上のあっせんを受けたり、紹介したりすることを禁じています。一方で、税理士が営業代行会社に紹介料や成果報酬を払うこと一般を禁じる規定は、税理士法と準則を確認した範囲では見つかりませんでした。各税理士会の綱紀規則は準則をもとに各会が定めるため、自分の会の規則は個別に確かめる必要があります。
行政書士は、行政書士法施行規則6条2項が不正または不当な手段で依頼を誘致する行為を禁じ、行政書士法10条が信用や品位を害する行為を禁じています。紹介料一般を禁じる条文は確認した範囲に見つかりませんでした。日本行政書士会連合会の会則や倫理に関する規定は今回確認していないため、所属の行政書士会で確かめてください。
報酬の形で変わる確認点|依頼の成立に近い報酬ほど先に確かめる
営業代行の報酬には、月額固定、面談1件ごと、受任や顧問契約1件ごとの成果報酬などの形があります。民法上は、委任の事務を行って得られる成果に対して報酬を払う約束もでき、成果に引き渡しが必要なら報酬は引き渡しと同時に払うとされています(648条の2)。ただし、民法で結べる契約であることと、士業の会規に反しないことは別の話です。報酬の形ごとに、確かめておきたい点を並べます。
| 報酬の形 | 何に対して払うか | 確かめること |
|---|---|---|
| 月額固定 | 一定期間の活動(リスト作成・架電・フォーム送信・面談の設定など) | 業務範囲に相談への回答や書類作成が入っていないか。月額に件数に応じた加算があり、実質的に紹介の件数で金額が決まる仕組みになっていないか |
| 面談(アポ)1件ごと | 事務所と見込み客の面談が設定されたこと | 何を1件と数えるか(誰と会うか、どの分野の相談か、既存の顧客を除くか)。弁護士・司法書士は、面談への報酬が依頼者の紹介の対価と見られないかを所属会に確認する。社労士・税理士も所属会の考え方を確かめる |
| 受任・顧問契約1件ごと | 依頼や顧問契約が成立したこと | 報酬が依頼の成立そのものに結びつくため、紹介の対価を禁じる会規(弁護士・司法書士)や、あっせん受けを禁じる規定(社労士・税理士)との関係を、契約前に所属会や弁護士に確認する |
出典: エイギョウブ編集部作成(報酬の形ごとの確認点の整理。会規に反しないことを示すものではない)。根拠として民法648条の2、弁護士職務基本規程13条、司法書士行為規範12条、社会保険労務士法23条の2、税理士会綱紀規則(準則)24条を参照(2026-09-15確認)
気をつけたいのは、どの報酬の形なら「紹介の対価」に当たるのかという具体的な基準が、確認した資料には見つからないことです。日弁連の規程や指針にも、営業代行を名指しした基準はありませんでした。日弁連は、個別の事案が非弁活動や非弁提携に当たるかを日弁連では判断できず、最終的には裁判所が証拠に基づいて判断するとしています。表の「確かめること」は安全な範囲を示すものではなく、所属会や弁護士に相談するときの論点の整理として使ってください。
面談1件ごとに払う形を選ぶ場合は、何を有効な面談として数えるかを契約前に文章にしておく必要があります。定義の決め方はテレアポ代行の成果報酬型とアポ単価が変わる条件で説明しています。成果報酬の料率や1件あたりの単価の目安は、営業代行の成果報酬は何パーセント・1アポいくらかで扱います。
代行に任せる工程と事務所に残す工程|相談への回答から先は資格者が持つ
条文や会規に営業代行を名指しした線引きがない以上、事務所の側でできるのは、外に任せる工程と事務所に残す工程を最初から分けておくことです。資格や免許が必要な行為を社内に残し、接点づくりだけを外に出す考え方は、宅建業法との線引きを扱った不動産の営業代行の記事とも共通しています。士業事務所の集客の流れを工程に分けると、次のようになります。
| 工程 | 主な中身 | 担当 |
|---|---|---|
| リスト作成 | 対象にする業種・地域・規模で見込み先を抽出し、既存の顧問先や相談中の先を除く | 任せやすい |
| 電話・フォームでの初回接触 | 事前に確認した文面で事務所を紹介し、話を聞く担当者と関心のある分野を確かめる | 任せやすい |
| 面談の設定 | 所長や担当の資格者との面談日程を決め、聞き取った内容を事務所に引き継ぐ | 任せやすい。ただし相談の中身には入らない |
| 相談への回答 | 法律・税務・労務・登記・許認可などの個別の質問に答える | 資格者 |
| 受任の判断と報酬の提示 | 依頼を受けるかどうかを決め、業務内容と報酬を説明する | 資格者 |
| 書類作成・手続き | 申請書や契約書などの作成、官公署への提出 | 資格者 |
出典: エイギョウブ編集部作成(工程の分け方の整理。法令や会規の上で安全な範囲を示すものではない)
担当者は法律や税務の質問に答えない
工程を分けても、電話の途中で相手から具体的な相談を持ちかけられることはあります。そのときに外の担当者が答えてしまうと、事務所に残したはずの工程に踏み込むことになります。台本には、法律・税務・労務などの質問が出たら「内容は面談で担当の者から説明します」と伝えて面談の設定に切り替える流れを入れておきましょう。聞き取った相談の概要は、答えずにそのまま事務所へ引き継ぐ項目として報告に加えます。
報酬の金額や解決の見通しも、担当者には話させず、面談で資格者が説明する項目にしておきます。
名乗り方と案内文を事務所が事前に確認する
担当者が事務所の職員や資格者と誤解されるような名乗り方をすると、誤導のおそれのある表示との関係で説明が難しくなります。どの会社の誰として、どの事務所の案内をしているのかを、台本の冒頭で決めておきましょう。問い合わせフォームやメールで案内を送る場合も、文面は事務所が事前に確認します。フォーム営業にかかる法律の注意点は、フォーム営業代行の費用と進め方で整理しています。
そもそも事務所のサービスが、外部の担当者に接点づくりを任せる営業に向いているかを先に確かめたい場合は、営業代行が向いている業種・向かない業種で商材の条件から見分けられます。
契約書と台本で確かめること|5つの項目を文章にしておく
工程の分け方と報酬の形が決まったら、それを契約書と台本に落とし込みます。士業の事務所が営業代行と契約するときに、とくに文章にしておきたい項目は次の5つです。
- 業務範囲: 任せる工程をリスト作成・初回接触・面談の設定などと具体的に書き、相談への回答、受任の判断、書類作成を含まないことを明記します。質問を受けたときの引き継ぎ方も書いておきます。
- 報酬の算定: 月額か、面談1件ごとか、受任1件ごとか。件数で払う場合は何を1件と数えるか。前の章の確認点を所属会や弁護士に確かめた結果と合う形にします。
- 表現の事前確認: 台本、フォームの文面、メールを事務所が事前に確認し、変えるときも確認を経ることを決めます。弁護士は、業務広告規程が広告業者との契約書や入出金の記録の保存を定めているため、営業代行との契約がこれに当たるかも含めて所属会に確認しておくと安心です。
- 再委託の可否: 民法では、委任・準委任の受任者は、委任者の許諾を得たときか、やむを得ない事由があるときでなければ、別の者に事務を任せられません。営業代行会社が別の会社や個人に業務を回すかどうか、回す場合の条件を契約書で決めます。
- 顧客情報の扱い: 見込み客のリストや、面談の設定で聞き取った情報など、個人データの取扱いを営業代行会社に委託する場合、事務所は委託先に対して必要かつ適切な監督を行わなければなりません(個人情報保護法25条)。保管の方法と、契約終了後の返却や削除の方法を決めておきます。
条項ごとの読み方や、雛形を使うときの注意点は営業代行の契約書と業務委託契約書の見方で扱っています。契約前の説明にあいまいな点が残る会社を見分けたい場合は、営業代行が怪しいと感じたら確認する7項目も参考にしてください。
エイギョウブに相談する場合
エイギョウブは、LongWave株式会社が運営する営業支援サービスです。サービスページでは、支援企業は100社以上と掲載しています(時点の記載はありません)。
総合の「エイギョウブ」の実行メニューには、電話営業(BDR/SDR)、フォームDM(1日最大500件のアプローチ)、SNS運用(LinkedIn)、交流会・展示会、即戦力人材アサイン(最短数日で稼働)、これらを組み合わせるマルチチャネルがあります。料金は月額の目安で、トライアル30万円〜/月、標準50万円〜/月(いずれも税別)です。支援範囲・体制に応じて提案する形で、上位のプランは個別見積りです。
士業事務所の支援に対応できるか、これまでに実績があるかは、お見積りの際に確認してください。相談するときは、この記事の工程の表をもとに、外に任せたい範囲と事務所に残す範囲、希望する報酬の形を伝えると、見積りの前提をそろえやすくなります。
まとめ|面談の設定までを外に、相談と受任は資格者に
士業の事務所が営業代行を検討するときは、「使ってよいか」ではなく「どの形なら問題になり得るか」から確かめます。要点は次のとおりです。
- 士業が営業代行を使うこと自体を禁じる条文は、確認した範囲では見つかりません。問題になり得るのは、無資格者による士業の業務、紹介への対価の支払い、無資格で業務を行う者などからのあっせん受け、不正・不当な手段による依頼の誘致の4つの形です。
- 弁護士は職務基本規程13条、司法書士は行為規範12条で、依頼者の紹介への対価の支払いが禁じられています。社労士は紹介料型の集客について県の社労士会が23条の2に抵触すると回答していますが、連合会の見解は見つかりません。
- 税理士と行政書士は、紹介料一般を禁じる規定が確認した資料に見つかりません。税理士会の綱紀規則は各会が定めるので、所属会の規則を確かめます。
- 受任1件ごとの成果報酬のように、報酬が依頼の成立に近いほど、会規との関係を契約前に所属会や弁護士に確認します。紹介の対価に当たる具体的な基準は見つかっていません。
- 代行に任せるのはリスト作成から面談の設定までにし、相談への回答、受任の判断、書類作成は資格者が持ちます。担当者が質問に答えない流れを台本と契約書に書いておきます。
個別の契約や報酬の形が規定に当たるか迷うときは、発注の前に所属の士業会や弁護士に確認し、そのうえで外に任せる範囲を決めてください。
よくある質問(FAQ)
- 士業の営業代行は違法ですか?
- 営業代行を使うこと自体を禁じる条文は、弁護士法・社労士法・税理士法・行政書士法などと各士業会の会規を確認した範囲では見つかりませんでした。問題になり得るのは、資格のない者が法律事務や書類作成を扱う形、依頼者の紹介に対価を払う形(弁護士・司法書士の会規)、無資格で業務を行う者などからあっせんを受ける形、不正・不当な手段で依頼を誘致する形です。代行は面談の設定までにし、相談への回答と受任の判断は資格者が行う形にしておくと線を引きやすくなります。個別の契約は所属の士業会や弁護士に確認してください。
- 税理士が営業代行にアポ1件ごとの報酬を払ってもよいですか?
- 税理士法と日本税理士会連合会の綱紀規則(準則)を確認した範囲では、紹介料や成果報酬を払うこと一般を禁じる規定は見つかりませんでした。準則が禁じているのは、税理士でない者による税理士業務の禁止(52条)などに違反する者やその疑いのある者から、有償・無償を問わず業務上のあっせんを受けることなどです。各税理士会の綱紀規則は準則をもとに各会が定めるため、払う前に所属の税理士会の規則を確認してください。あわせて、担当者が税務の相談に答えない運用にしておきましょう。
- 社労士は紹介料型の集客を使ってよいですか?
- 慎重に確かめたほうがよい形です。茨城県社会保険労務士会のFAQは、企業が社労士事務所を紹介して紹介料を受け取る行為について、社会保険労務士法23条の2に抵触すると回答しています。ただし、これは県の会の回答で、全国社会保険労務士会連合会の見解は見つかりませんでした。23条の2の文言は、社労士の名称を無資格で使う者や無資格で社労士業務を行う者からのあっせん受けを禁じるものなので、個々の契約が当たるかは所属の社会保険労務士会に確認してください。
- 怪しい営業代行会社を見分けるには、どこを見ればよいですか?
- 契約前に、業務範囲・報酬の算定方法・再委託の可否・顧客情報の扱いを書面で示せるかを確かめるのが基本です。士業の事務所の場合は、台本や送る文面を事前に確認させてくれるか、担当者が相談に答えない運用を決められるかも見ておきましょう。また、会規との関係について根拠を示さず「問題ありません」と言い切るだけの説明には注意が必要です。判断は所属会や弁護士への確認で行い、会社の説明だけに頼らないようにしてください。
出典
- 弁護士法 第27条・第72条・第77条(e-Gov法令検索、2025-10-01施行版) 確認日 2026-09-15
- 弁護士職務基本規程 第11条・第12条・第13条(日本弁護士連合会、会規第70号、最終改正 令和3年6月11日) 確認日 2026-09-15
- 弁護士等の業務広告に関する規程 第3条・第11条・附則(日本弁護士連合会、会規第44号、最終改正 令和7年12月5日) 確認日 2026-09-15
- 業務広告に関する指針(日本弁護士連合会、平成24年3月15日理事会議決) 確認日 2026-09-14
- 隣接士業・非弁活動・非弁提携対策(日本弁護士連合会) 確認日 2026-09-15
- 社会保険労務士法 第23条の2・第26条・第27条(e-Gov法令検索、2025-10-01施行版) 確認日 2026-09-15
- 社会保険労務士法施行規則 第12条の11(e-Gov法令検索) 確認日 2026-09-15
- 社労士と社労士制度 よくある質問「社労士でない者の業務制限と業務侵害行為」(茨城県社会保険労務士会、日付記載なし) 確認日 2026-09-15
- 司法書士法施行規則 第26条(e-Gov法令検索) 確認日 2026-09-15
- 司法書士行為規範 第12条・第13条(日本司法書士会連合会) 確認日 2026-09-15
- 税理士法 第37条の2・第52条(e-Gov法令検索、2025-10-01施行版) 確認日 2026-09-15
- ○○税理士会綱紀規則(準則) 第23条・第24条(日本税理士会連合会、最終変更 令和4年11月22日) 確認日 2026-09-15
- 行政書士法 第10条・第19条(e-Gov法令検索、2026-05-21施行版) 確認日 2026-09-15
- 行政書士法施行規則 第6条第2項(e-Gov法令検索、2024-07-01施行版) 確認日 2026-09-15
- 民法 第644条の2・第648条の2・第656条(e-Gov法令検索) 確認日 2026-09-15
- 個人情報の保護に関する法律 第25条(e-Gov法令検索) 確認日 2026-09-15
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問題になり得る4つの形と、代行に任せる工程・事務所に残す工程を一緒に整理します。個別の判断は弁護士にご確認ください。

