営業代行のKPIは、成果として数える地点を1つ決め、その手前を3〜4段に分けて、毎週同じ列で受け取ると読み違えが減ります。成果の定義は契約書の条項とレポートの列で同じ言葉を使うと、代行会社と自社で件数が食い違いにくくなります。アポ率や商談化率の平均を目標に置く前に、何を1件と数えるか、どの列をどの定義で受け取るかを、発注の前後で決めておきましょう。
この記事は、2026年9月15日に民法の条文、厚生労働省の疑義応答集、成果報酬の数え方を説明している公開記事を開いて確かめた内容で書いています。KPIの平均値や料金の数字は載せていません。表に出てくる項目は一般的な例なので、実際の列名と定義は代行会社と話し合って決めてください。
この記事で分かること
- 料金体系ごとに変わる成果の定義と、週次レポートで重く見る列
- 電話・フォーム・訪問でKPIを段に分けるときの列名の例と、週次レポートに入れる項目の例
- 代行会社と件数が合わなくなる4つの原因と、契約書とレポートの言葉のそろえ方
営業代行の成果定義は料金体系で変わる|1件と数える地点を先に決める
営業代行で「成果」と呼ぶものは、料金体系によって意味が変わります。成果報酬型では、決めた地点に届いた件数がそのまま支払いにつながります。BOXILの成果報酬型の営業代行の解説は、何をもって成果と定義するかによって料金が発生するタイミングが異なるとしたうえで、アポイント獲得の報酬、商談代行の報酬、受注や契約の獲得の報酬という種類を並べています。ローカルマーケティングパートナーズのテレアポ代行の解説でも、担当者との通電、アポイント獲得、商談化(初回ミーティングの実施)、受注成約というように、成果の定義ごとに分けて整理されています。
月額の固定報酬型では、支払いは稼働に対して行うため、成果地点は請求の条件ではなく目標として置かれます。そのぶん、毎週の報告で活動の中身が見えないと、成果が少ない週に原因を切り分けられません。人材を自社の営業工程に入ってもらう人材アサイン型では、任せた工程の出口が成果地点になり、次の工程へ引き継いだ件数が評価の中心になります。
料金体系ごとの成果地点の例と、レポートで重く見る列、契約書で言葉を決めておく点をまとめると次のようになります。
| 料金体系 | 成果地点の例 | レポートで重く見る列 | 契約書で言葉を決めておく点 |
|---|---|---|---|
| 固定報酬型(月額) | 目標として置く商談設定数や商談実施数(支払いの条件ではない) | 活動量、接触数、断りの理由、次週に変えること | どの期間の、どの業務に対する報酬か。目標の成果地点を何と呼ぶか |
| 成果報酬型 | アポイント獲得、商談の実施、受注のいずれか1つ | 成果の件数、条件を満たさなかった件数とその理由 | 1件と数える条件と時点、判定の期限、対象外の扱い |
| 人材アサイン型 | 任せた工程の出口(インサイドセールスまでなら商談の引き継ぎ、受注までなら受注) | 工程ごとの件数と、次の工程へ引き継いだ件数 | 担当する工程の範囲と、引き継ぎの条件 |
出典: 成果地点の分け方はBOXIL「成果報酬型の営業代行おすすめ14選」、ローカルマーケティングパートナーズ「テレアポ代行の費用相場」の記述をもとに編集部で整理。列と契約書の点は一般的な例で、特定の会社の報告様式ではありません(確認日 2026-09-15)。
成果地点を後ろに置くほど代行会社が数えられる件数は減り、前に置くほど件数は出やすくなります。どちらを選ぶかで1件あたりの金額の考え方も変わりますが、成果報酬の割合や1件あたりの金額は営業代行の成果報酬は何パーセントか、1アポいくらかの記事で扱います。この記事では金額には触れず、決めた地点をどう数え、どう報告してもらうかに絞って説明します。
営業代行のKPIは成果地点の手前を3〜4段に分ける|チャネルごとに列名を決める
成果地点を1つ決めたら、そこへ至る手前の段をKPIとして追います。段は、動いた量を表す活動量、相手と話せた接触、日時が決まった商談設定、実際に行われた商談実施、受注の順に並べるのが基本の形です。成果地点が商談実施なら活動量・接触・商談設定の3段を、受注なら商談実施を加えた4段を追います。アポイント獲得を成果地点にする契約でも、商談が実際に行われたかどうかは別の列で受け取っておくと、取れたアポの中身を後から確かめられます。
同じ段でも、電話・フォーム・訪問では数える単位が変わります。列名をチャネルに合わせて決めておくと、複数のチャネルを同時に動かしたときにも数字が混ざりません。
| 段 | 電話での列名の例 | フォームでの列名の例 | 訪問での列名の例 |
|---|---|---|---|
| 活動量 | 架電数 | 送信数 | 訪問件数 |
| 接触 | 担当者との会話数 | 返信数 | 担当者との面会数 |
| 商談設定 | アポ確定数 | 返信からの日程確定数 | 次回商談の日程確定数 |
| 商談実施 | 初回商談の実施数 | 初回商談の実施数 | 提案の場の実施数 |
| 受注 | 受注数(受注を自社の営業が担当する場合は自社側で記入) | ||
出典: 一般的な営業プロセスの段を編集部で整理したもの(数字は含みません)。
率は、ある段の件数を1つ前の段の件数で割って出します。接触率なら活動量が分母、商談設定率なら接触数が分母です。分母を契約の前に決めておかないと、代行会社は架電数を分母に、自社は会話数を分母に計算して、同じ週の率が別々の数字になります。他社の平均値をそのまま目標にするより、稼働して数週間の自社の実数から基準を作るほうが判断を誤りにくくなります。商談化率の分母の決め方は商談化率の計算式と分母の決め方で詳しく扱っています。
営業KPIを先行指標・中間指標・遅行指標の3階層に分け、受注の目標から逆算して決める手順は営業KPIの設計|行動量と成果を分けて管理するにまとめています。代行会社に架電から商談化までを任せるときに追う指標の一覧は、インサイドセールスのKPI設計|架電・接続・商談化を分けて追う指標一覧で確かめられます。
週次レポートで受け取る項目の例|列名と定義を同じ表に書く
週次レポートは、毎週同じ列を同じ順番で受け取るのが基本です。列が週によって増えたり減ったりすると、前の週と比べられなくなります。下の表は一般的な項目の例です。定義の欄にある「〇〇」は、契約の前に自社の条件を入れて埋める箇所として読んでください。
| 列名 | 定義を書く欄(〇〇を埋める) | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| 対象リスト件数 | 〇〇(業種・規模・エリア)に当てはまる企業の件数と、そのうち未着手の件数 | 未着手が少なくなると、翌週以降の活動量が落ちる |
| 活動量 | 今週〇〇(電話・フォーム・訪問)で実施した件数。同じ相手への2回目以降を含むかは〇〇 | 活動量だけが増えて接触が増えない週は、リストや時間帯を疑う |
| 接触数 | 〇〇(役職・部署)の担当者と話せた、または返信があった件数 | 受付で断られた件数を含めていないかを確かめる |
| 商談設定数 | 〇〇の条件を満たし、日時が確定した件数 | 契約書の成果の定義と同じ言葉で列名を付ける |
| 商談実施数 | 設定した商談のうち、〇〇(商談の予定日)までに実際に行われた件数 | 設定した週と行われた週がずれるので、どちらの週に入れるかを決める |
| 条件を満たさなかった件数 | 設定したが、〇〇(対象外の業種・既存顧客・重複など)に当たった件数と理由 | 成果報酬型では、支払いの対象から外れる件数と一致するかを見る |
| 断りの理由 | 接触したが断られた件数を、〇〇(時期が合わない・予算がない・他社を利用中など)の分類で数えたもの | 分類は稼働前に決め、途中で変えない |
| 次週に変えること | 数字を見て次の週に変える点を〇〇個まで | 翌週のレポートで、変えた内容とその後の数字を並べて読む |
出典: 営業代行の週次報告で一般的に扱われる項目を編集部で整理したもの。特定の会社の報告様式ではなく、数字は含みません。
数字の列だけのレポートでは、件数が落ちた理由までは分かりません。断りの理由と、条件を満たさなかった件数の列があると、リストが合っていないのか、訴求が弱いのか、設定の条件が厳しすぎるのかを読み分けられます。
「今週の件数」と「稼働開始からの累計」を別の列にする
件数は、今週の分と、稼働を始めてからの累計を別の列で受け取ります。今週の分だけでは波があって傾向が読みにくく、累計だけでは直近の変化が埋もれてしまうためです。成果報酬の請求を月単位で行う契約なら、その月に含まれる週の件数を足した数と、請求書の件数が一致するかも同じ表で確かめられます。
集計表とは別に、活動の記録を受け取れるようにする
集計した数字だけでなく、どの企業にいつ接触し、どう返答されたかという記録を受け取れるかも、稼働の前に決めておきます。件数が合わないときに1件ずつ照らし合わせる材料になり、契約が終わった後も自社に営業の記録が残ります。週次・月次・四半期でどの指標を見て何を判断するかという稼働後の運用の流れは、営業代行を依頼する流れ|問い合わせから稼働開始・改善までで整理しています。
代行会社と件数が食い違う原因|契約書の条項とレポートの列に同じ言葉を使う
代行会社の報告と自社の数え方で件数が合わなくなったときは、次の4つのどこでずれているかを確かめます。どれも、同じ言葉に別々の意味を持たせたまま稼働を始めたときに起きるずれです。
| ずれる原因 | 起きること | そろえ方 |
|---|---|---|
| 数える時点 | 代行会社は日時が確定した時点で数え、自社は商談が行われた時点で数えている | 契約書に「日時の確定」か「商談の実施」かを書き、レポートの列名もその語にする |
| 条件の判定 | 対象外の業種、既存顧客、相手の役職などの条件を満たすかの判断が分かれる | 条件を契約書か別紙に列挙し、満たさなかった件数を別の列で受け取る |
| 週の区切り | 設定した日で数えるか、商談の予定日で数えるかで、同じ1件が別の週に入る | どの日付でその週に入れるかを、定義の欄に書いておく |
| 呼び方 | 契約書は「有効商談」、レポートは「アポ」、社内の管理表は「商談」と呼び、同じものを指しているか分からなくなる | 契約書で使った語を、レポートの列名と社内の管理表にそのまま使う |
出典: 件数の食い違いが起きる典型的な原因を編集部で整理したもの(数字は含みません)。
成果報酬型では、契約書に書いた成果の定義がそのまま支払いの条件になります。民法は、委任事務の履行によって得られる成果に対して報酬を支払うと約束する形を認めており、その成果に引渡しが必要な場合は、報酬は引渡しと同時に支払うと定めています(民法648条の2)。何を成果とし、どの時点で1件と数えるかを契約書で決め、レポートの列もその言葉で作っておけば、請求の件数とレポートの件数を同じ表で照らし合わせられます。
固定報酬型でも、目標として置いた成果地点の呼び方と定義を契約書か別紙に書いておくと、稼働を振り返るときに評価が割れにくくなります。契約書の文言が自社の取引に合っているかは、個別に弁護士に確認してもらうと安心です。
有効なアポの条件の書き方や、判定の期限と異議の出し方の決め方は、テレアポ代行の成果報酬型|有効アポの定義の決め方で扱っています。業務範囲や報酬、報告の条項を契約書のどこで確かめるかは、営業代行の契約書と業務委託契約書|条項ごとの見方にまとめています。
数字を見て次に何を変えるか|前の段から順に疑う
成果地点の件数が足りない週は、成果地点の数字だけを見るのではなく、手前の段から順に確かめます。前の段で件数が足りていなければ、後ろの段をいくら直しても件数は増えにくいからです。段ごとに先に疑うことと、代行会社に確かめることの例は次のとおりです。
| 数字の動き | 先に疑うこと | 代行会社に確かめること |
|---|---|---|
| 活動量が計画に届かない | 稼働する人数や時間、リストの残り | 稼働の予定と実績、リストを追加する予定 |
| 活動量はあるのに接触が増えない | リストの条件、連絡する時間帯、チャネルの選び方 | 接触できた相手の業種や時間帯の内訳 |
| 接触はあるのに商談設定が増えない | トークや文面の訴求、話している相手の役職 | 断りの理由の内訳が前の週からどう変わったか |
| 商談設定はあるのに実施が減る | 設定するときの条件確認、前日の確認連絡、日程の決め方 | 行われなかった商談の理由 |
| 商談は行われるのに受注に進まない | 商談相手の条件、自社の提案や見積の出し方 | 商談の前に自社へ引き継がれた情報の中身 |
出典: 営業プロセスの段ごとに確認される一般的な論点を編集部で整理したもの(数字は含みません)。
変える点は1週間に1つか2つに絞り、変えた内容をレポートの「次週に変えること」の列に残します。同時にいくつも変えると、翌週に数字が動いても、どの変更が効いたのかが読めなくなります。受注に進まない段で止まっている場合は、代行会社の活動ではなく、商談を引き継いだ後の自社の進め方に原因があることもあるため、自社側の数字も同じ表に並べて見ます。
変えてほしいことは、代行会社の営業担当者に直接伝えるのではなく、代行会社の責任者や決めておいた窓口を通して伝えます。厚生労働省の疑義応答集は、発注者が請負事業主に作業の見直しなど発注に関わる要求をするのは契約の当事者間のやりとりで偽装請負には当たらないとする一方で、発注者が請負事業主の労働者に直接指示すれば直接の指揮命令に当たり、偽装請負と判断されるとしています。週次の定例で決めた変更も、責任者から現場へ反映してもらう流れにしておきましょう。
稼働を始めてから数字が落ち着くまでの見通しは、営業代行の成果はいつ出るかの記事で扱います。
エイギョウブの支援で計画に入るもの|KPI・PL設計と、サービスごとの稼働後の進め方
エイギョウブは、LongWave株式会社が運営する営業支援サービスです。総合のエイギョウブでは、ヒアリングのあとに支援計画作成(KPI・PL設計、体制の提案)を行い、そのうえで契約、アサイン・稼働開始へと進みます。流れのうえでは、KPIの設計は契約より前の支援計画作成に含まれています。
サービスによって、稼働後の進め方の書き方が違います。エイギョウブ for 不動産の流れは、無料相談、営業設計・計画作成、契約、キックオフMTG、稼働開始のあとに、週次定例・改善が続きます。訪問エイギョウブの進め方では、訪問結果を週次で分析し、アポ率・商談率・受注率を改善します。
総合のエイギョウブの料金は月額の目安で、トライアルが30万円〜(税別)、標準が50万円〜(税別)です。支援範囲・体制に応じて提案しています。
まとめ|成果地点を1つ決め、同じ言葉で数え、同じ列で受け取る
営業代行のKPIは、まず成果として数える地点を1つ決めることから始まります。成果報酬型なら支払いの条件、固定報酬型なら目標、人材アサイン型なら任せた工程の出口が、その地点に当たります。次に、その手前を活動量・接触・商談設定・商談実施の段に分け、電話・フォーム・訪問に合わせて列名と分母を決めます。
週次レポートは、対象リスト件数から次週に変えることまでを毎週同じ列で受け取り、今週の件数と累計を分けます。件数が代行会社と合わないときは、数える時点、条件の判定、週の区切り、呼び方の4つを確かめ、契約書で使った言葉をレポートの列名と社内の管理表にもそのまま使います。数字を見て変えることは前の段から順に選び、要望は代行会社の責任者を通して伝えましょう。
よくある質問(FAQ)
- 営業代行のKPIは何を設定すればよいですか?
- 成果として数える地点を1つ決め、その手前の段をKPIにします。段は活動量、接触、商談設定、商談実施、受注の順に並べ、成果地点が商談実施なら活動量・接触・商談設定の3段、受注なら商談実施を加えた4段を追います。電話なら架電数、フォームなら送信数、訪問なら訪問件数というように、チャネルに合わせて列名を決め、率を出すときの分母も契約の前にそろえておきます。他社の平均値は目標にせず、稼働後の自社の実数から基準を作ると判断を誤りにくくなります。
- 成果報酬型でも活動量の報告はもらうべきですか?
- もらっておくと、成果が少ない週に原因を切り分けられます。成果報酬型は成果地点に届いた件数で支払うため、活動量は請求には関係しません。ただ、架電数や送信数、接触数、断りの理由が分からないと、リストが合っていないのか、訴求が弱いのか、設定の条件が厳しいのかを判断できません。契約書の報告の条項に、受け取る項目と頻度を書いておきましょう。
- 週次レポートに最低限入れる項目は何ですか?
- 一般的な例としては、対象リスト件数、活動量、接触数、商談設定数、商談実施数、条件を満たさなかった件数、断りの理由、次週に変えることの8項目です。数字の列は今週の分と稼働開始からの累計を分け、列ごとの定義を書いた表を稼働の前に合意しておくと、週をまたいでも比べられます。受注を自社の営業が担当する場合は、受注数を自社側で同じ表に書き足します。
- 代行会社とアポの件数が合わないときはどうすればよいですか?
- 数える時点、条件の判定、週の区切り、呼び方の4つのどこがずれているかを確かめます。日時が確定した時点で数えるのか商談が行われた時点で数えるのか、対象外の業種や既存顧客をどう扱うのか、どの日付でその週に入れるのかを、活動の記録と1件ずつ照らし合わせます。決まっていなかった点は契約書か別紙に書き足し、以後はその言葉をレポートの列名にも使います。要望は代行会社の責任者を通して伝えます。
出典
- 民法 第648条・第648条の2(e-Gov法令検索) 確認日 2026-09-15
- 厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(37号告示)に関する疑義応答集 2.発注者からの注文(クレーム対応) 確認日 2026-09-15
- BOXIL Magazine「成果報酬型の営業代行おすすめ14選 費用相場と選び方、適している企業の特徴」(2026年4月23日更新) 確認日 2026-09-15
- ローカルマーケティングパートナーズ「テレアポ代行の費用相場|コール課金100〜300円・成果報酬1〜3万円/アポ【2026年】」(2026年7月1日更新) 確認日 2026-09-15
営業のどこが足りないか、8問で確認できます。
リード創出・商談化・体制・仕組み・データの5軸で現在地を可視化します。
成果地点と週次レポートの項目を、契約前に決めておきたい方へ
料金体系に合わせた成果の定義と、レポートで受け取る列名を一緒に整理します。

