テレアポが時代遅れと言われるのは、代表電話がつながりにくい、断られる回数が多いといった点が目立つからで、電話という手段が使えなくなったわけではありません。相手を絞ったリストで電話をかけて接点をつくり、問い合わせフォームや訪問とつなげれば、法人営業では今も成り立ちます。続けるか切り替えるかは、電話そのものの評判より、誰に、何を確かめるために、どの順番でかけているかで決まります。

この記事は、法人向けのテレアポを続けるか、フォーム営業や訪問に切り替えるかを決めたい営業責任者・経営者に向けて書いています。テレアポの仕事で働く人の働き方や、営業電話を受ける側の断り方の話は扱いません。また、テレアポの接続率やアポ率、テレアポを使っている企業の割合といった数字は、この記事を書いた時点で確かめられる出典が見つからなかったため載せていません。

この記事で分かること

  • テレアポが時代遅れと言われる4つの理由と、それが当てはまりやすい使い方
  • 法人営業で電話が効きやすい場面と効きにくい場面、法律で確かめておくこと
  • フォームや訪問と組み合わせる順番と、続けるか外に出すかを決める材料

テレアポが時代遅れと言われる理由|目立つのは4つの不便さ

「テレアポは古い」という声の中身を分けてみると、根っこにある不便さはおおむね次の4つに整理できます。

  • 代表電話につながりにくい: 受付で用件を聞かれて止まる、担当者が席にいない、在宅勤務などで会社の電話に出る人が限られている、といった理由で、話したい相手までたどり着けないことがあります。
  • 断られる回数が多い: 相手にとっては予定していない電話なので、用件を伝える前に断られることが少なくありません。断られる電話が続くと、かける側の負担も大きくなります。
  • ほかの連絡手段が増えた: 電話をかけなくても、フォーム送信やメール、Web会議、SNSのメッセージで最初の接点をつくれる相手が増え、電話でなければならない理由が薄れました。
  • 相手の時間を奪う印象がある: 仕事中に突然かかってくる電話は、用件が合わなければ相手の手を止めるだけになり、会社の印象を下げるおそれがあります。

どれも実際に起きることで、言い分としては筋が通っています。ただし、4つとも電話という手段の欠点というより、特定の使い方をしたときに強く出る不便さです。

4つが強く出るのは、相手を絞らずに件数で回す使い方

4つの理由が当てはまりやすいのは、業種や規模で絞り込まずに集めた長いリストに、上から順に同じ内容で電話をかけ、かけた件数やアポの件数だけで成果を測る使い方です。この使い方では、自社の商材に関係のない会社にもかけるので断られる回数が増え、受付で止まったときに伝える用件も弱くなります。相手から見れば、自社に関係のない電話に時間を取られたことになります。

反対に、自社の商材が役に立ちそうな会社を先に選び、その会社のどの部署の誰に、何を確かめたいのかを決めてからかける電話では、同じ4つの不便さは出にくくなります。テレアポを続けるかどうかを考える前に、自社の電話がどちらの使い方に寄っているかを見ると、変えるべきものが電話そのものなのか、かけ方なのかが分かれます。

電話がつながらない原因をリスト、時間帯、話し方に分けて順に直す方法は、テレアポが繋がらない原因と時間帯の目安|リスト・時間帯・トークを直す順番で詳しく扱っています。

電話が効く場面・効きにくい場面|相手と用件で分かれる

電話が今も効くかどうかは、商材の種類よりも、かける相手がどこまで絞れているかと、電話で何を確かめたいかで変わります。次の表は、法人営業で電話が効きやすい場面と効きにくい場面を分けた一般的な整理です。

見る点 電話が効きやすい場面 電話が効きにくい場面
かける相手 対象の業種・規模・地域が決まっていて、話すべき部署や役割の見当がついている 対象を絞らずに集めたリストで、誰に話せばよいか分からないままかけている
電話で確かめる用件 担当者の名前、検討の時期、会ってもらえるかなど、短いやり取りで答えが出る 資料や画面を見ないと伝わらない説明を、電話1本で済ませようとしている
それまでの接点 資料請求、展示会での名刺交換、フォームやDMへの反応など、先に何らかの接点がある 接点がまったくなく、相手にとって社名も用件も初めて聞く内容になる
電話のあとの動き 訪問やWeb商談の日程、資料送付など、次にやることが決まっている 電話で話せても次の行動が決まっておらず、その場で終わってしまう
商材と取引の形 現場の確認や複数の関係者との打ち合わせが要り、会う約束を取る価値がある 説明がWebで完結し、相手が自分で比べて申し込める

出典: 編集部による一般的な整理(2026-09-15作成)。統計にもとづく数字は含みません。

電話の役目を「アポを取る」から「相手と用件を確かめる」へ移す

表の左側を並べると、効きやすい電話は、電話1本で契約やアポまで進めようとしていません。電話で確かめるのは、この会社に話す価値があるか、誰と話せばよいか、次に会ってもらえるか、といった短い用件です。説明は資料やWeb会議に、詳しい聞き取りは訪問に回し、電話はその間をつなぐ役目を受け持ちます。

こう考えると、テレアポをやめるかどうかは「電話を使うか使わないか」の二択ではなくなります。電話に任せる範囲を狭くして、そのぶん相手を絞ったほうが、断られる回数も相手の負担も減らせます。

テレアポで法律上確かめること|事業者間でも一律に除外ではない

電話で営業をかけるときに関わる法律として、特定商取引法(特商法)と個人情報保護法があります。法人向けのテレアポなら関係ないと思われがちですが、どちらも「法人相手だから一切関係ない」とは言い切れません。ここでは、条文と公的な資料で確かめられる範囲に絞って整理します。個別の取引に当てはまるかどうかは、弁護士などの専門家に確認してください。

電話勧誘販売の規定は、相手が営業のために結ぶ契約なら適用されない

特商法でいう「電話勧誘販売」は、事業者が電話をかけ(または政令で定める方法でかけさせ)、その電話での勧誘によって、郵便などで申込みを受けたり契約したりする販売や役務の提供をいいます(特商法第2条第3項)。

そのうえで特商法は、申込みをした人や購入者が「営業のために若しくは営業として」結ぶ契約には、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売の規定を適用しないとしています(同法第26条第1項第1号)。法人向けの電話営業で、相手が事業のために契約する場合は、この適用除外に当たります。

ただし、消費者庁などの通達では、この適用除外は契約の目的や内容が営業のためのものかで判断するもので、相手が事業者や法人であることだけで一律に除外されるわけではないとされています。事業者の名前で契約していても、主に個人用・家庭用に使うためのものであれば原則として規定が適用され、実質的に廃業している、事業の実態がほとんどない零細事業者の場合は適用される可能性が高いとされています。個人事業主や小さな事業者にも電話をかける商材では、相手が事業のために契約しているかを意識しておく必要があります。

リストを買うときは、取得の経緯を確かめて記録する

担当者の氏名など個人情報を含むリストを名簿業者から買うこと自体は、個人情報保護法で禁止されていません。ただし、個人情報保護委員会のQ&Aでは、購入するときには適正取得の義務と、第三者から個人データを受け取るときの確認・記録の義務がかかるとされています。具体的には、相手が名簿を取得した経緯などを確かめて記録し、名簿業者がオプトアウトの届出をしているかを個人情報保護委員会のホームページで確かめる必要があると解されています。

リストの質は、4つの不便さのうち「断られる回数」と「つながりにくさ」に直結します。買ったリストをそのまま使うより、取得の経緯を確かめたうえで、自社の対象に合う会社だけに絞り込んでから使うほうが、法律の面でも電話の中身の面でも無理がありません。

フォーム・訪問と組み合わせる順番|絞る、接点、確認、商談、記録

テレアポを残す場合も、電話だけで新規開拓を完結させようとしないほうが、4つの不便さを小さくできます。次の表は、電話を問い合わせフォームや訪問とつなげるときの順番を、一般的な形に並べたものです。

順番 主に使う手段 この段で確かめること 次へ進む目安
1. 相手を絞る リスト作成 業種・規模・地域・決裁の形から、自社の商材が役に立ちそうな会社を選ぶ 会社ごとに、話したい部署と確かめたい用件を書き出せている
2. 最初の接点をつくる 問い合わせフォーム、DM、メール 社名と用件を先に届け、電話をかけたときに「何の話か」が伝わる状態にする 送った先の一覧と、反応があった会社が記録に残っている
3. 電話で確かめる テレアポ 担当者は誰か、検討する時期はいつか、会ってもらえるか 会う相手と日程、または資料を送る先が決まった
4. 商談する 訪問、Web商談 課題の背景、関係する部署、決める人と決め方 次に誰と何を話すかの約束が取れた
5. 記録して次を決める 営業記録、報告 どの段で止まった会社が多いか、どの手段の後に次の約束が取れたか 止まった段に合わせて、リストか用件か手段を直す

出典: 編集部による一般的な整理(2026-09-15作成)。段ごとの通過率などの数字は含みません。

2と3は入れ替えてよいが、電話の前に「相手を絞る」は外さない

表の2と3の順番は、商材や相手によって入れ替えて構いません。先に電話で担当者を確かめ、その人あてに資料を送ってから改めて連絡する流れもあります。外さないほうがよいのは、1の「相手を絞る」を電話の前に置くことです。ここを飛ばすと、フォームも電話も件数で回す使い方に戻り、時代遅れと言われる不便さがそのまま出てきます。

問い合わせフォームからの営業を外部に頼むときの課金の単位や、法律の面での注意、電話や訪問につなぐ設計は、フォーム営業代行の費用と進め方|課金の単位・法律の注意点・電話や訪問につなぐ設計でまとめています。

訪問は、電話で会う理由をそろえてから入れる

4の商談を訪問にするかWeb商談にするかは、現場や設備を見ないと提案が作れない、関係する人に一度に会いたい、といった対面で得られる情報があるかで決めます。電話は、その訪問が相手にとっても意味のあるものかを先に確かめる役目を持ちます。訪問そのものが時代遅れかどうかは訪問営業は時代遅れか|そう言われる理由を法人営業で確かめ、今も訪ねる意味がある場面を整理するで、訪問が向く商材の条件は訪問営業とは|法人営業で有効な商材の4条件とオンラインとの使い分けで整理しています。電話で担当者までは話せても決める人に届かない場合は、決裁者にアポが取れない・会えない営業を変える4つの到達経路が参考になります。

テレアポを続けるか、外に出すか|自社の記録で決める

テレアポが自社にとって時代遅れかどうかは、世間の評判ではなく、自社の電話が何を持ち帰れているかで判断するほうが確かです。そのためには、少なくとも次の項目を1件ごとに残しておく必要があります。

  • どの会社の、どの部署にかけたか(リストのどの条件で選んだ会社か)
  • 誰と話せたか(受付・担当者・決める人)。話せなかった場合はその理由
  • 何を確かめられたか(担当者の名前、検討の時期、会ってもらえるか)
  • 次の約束が取れたか(訪問やWeb商談の日程、資料の送付先)

割合を出すときは、業界の平均と比べるより、同じ期間にフォームや紹介で接点を持った相手の結果と同じ項目で並べるほうが、手段の良し悪しを判断しやすくなります。

止まっている場所で、直す手を分ける

記録がたまったら、どこで止まっているかで次の手を分けます。受付や不在で担当者まで届かない電話が多いなら、リストの絞り方やかける時間帯を見直す段階で、前に紹介した「テレアポが繋がらない原因」の記事の順番で直せます。担当者と話せても次の約束につながらないなら、電話で伝える用件と話の組み立てを見直す段階で、その進め方はテレアポのトークスクリプトで扱います。どちらを直しても次の約束が取れず、同じことをフォームやメールでも確かめられているなら、その相手に対しては電話を減らし、別の手段を先に使う候補になります。

外に出すときは、任せる段と報告の項目を先に決める

記録を見て電話を残すと決めても、社内にかける人がいない、リスト作りと電話と訪問を同じ人が抱えていて回らない、ということがあります。その場合は、テレアポを社内で続けるかやめるかの二択ではなく、前の章の表の段の一部を外部に任せる方法があります。

外部に任せるときは、表のどの段までを頼むのか(電話で確かめるところまでか、訪問まで含めるか)と、先ほどの4つの記録を報告の項目にするかを、契約の前に決めておくと、電話が次の約束につながっているかを自社で確かめられます。料金の形ごとの目安と、訪問営業との使い分けは、テレアポ代行の費用相場|コール課金・成果報酬・月額固定の目安と訪問営業との使い分けで整理しています。

電話で接点をつくり訪問する体制|訪問エイギョウブの進め方

テレアポと訪問を別々の人や別々の会社に頼むと、電話で確かめた内容が訪問する人に伝わらず、同じことを相手に聞き直すことがあります。電話と訪問を組み合わせるなら、両方をひと続きで設計できる体制かどうかを確かめておくと安心です。

当メディアを運営するLongWave株式会社の訪問営業に特化したサービス「訪問エイギョウブ」では、業種・規模・エリア・決裁構造で訪問優先度の高い企業を抽出し、電話やDMで事前接点を作って「会える商談」にしてから訪問し、訪問トークを標準化したうえで、訪問結果を週次で分析してアポ率・商談率・受注率を改善する進め方をサービスページに掲げています。この記事で見た「相手を絞る、電話で確かめる、訪問する、記録して直す」という順番を、ひと続きで任せる形です。

営業のチャネルとしては、電話・DM・SNS・訪問・手紙・紹介・交流会の7以上をサービスページに掲げており、電話だけ、訪問だけではなく、その前後の手段と組み合わせて相談できます。料金は、サービスページに月額料金の目安(税別)として、トライアル20万円〜/月、標準40万円〜/月と掲載しています。実際の金額は頼む範囲や体制によって変わるため、相談の際に確かめてください。

まとめ|問われているのは電話そのものではなく、かけ方

テレアポが時代遅れと言われる理由は、代表電話につながりにくい、断られる回数が多い、ほかの連絡手段が増えた、相手の時間を奪う印象がある、の4つにまとまります。法人営業で見ると、これらが強く出るのは、相手を絞らずに件数で回す使い方です。相手を絞ったうえで、電話を「会う相手と用件を確かめる」役目に置き、フォームや訪問とつなげる使い方では、今も電話が役に立ちます。

  • 電話をやめるかを決める前に、自社の電話が件数で回す使い方に寄っていないかを確かめる
  • 相手を絞る、接点をつくる、電話で確かめる、商談する、記録する、の順に組み立てる
  • 法人相手でも特商法の適用除外は一律ではなく、買ったリストは取得の経緯を確かめて記録する
  • 1件ごとに話せた相手と次の約束を残し、止まっている場所に合わせて直すか外に出すかを決める

電話を残すと決めたあとで人手が足りない場合は、電話から訪問までをひと続きで任せる方法も比べてみてください。

よくある質問(FAQ)

テレアポは時代遅れですか?
法人営業のテレアポは、一律に時代遅れではありません。相手を絞らずに集めたリストへ件数で電話をかける使い方は、代表電話につながりにくく断られる回数も多いため、割に合いにくくなっています。一方で、自社の商材が役に立ちそうな会社を選び、担当者や検討の時期、会ってもらえるかを確かめるために電話を使い、問い合わせフォームや訪問とつなげる使い方は今も成り立ちます。自社にとってどうかは、話せた相手と次の約束を1件ごとに記録して判断します。
時代遅れと言われるのに、テレアポがなくならないのはなぜですか?
電話は、相手とその場で言葉を交わし、担当者は誰か、検討の時期はいつか、会ってもらえるかを短い時間で確かめやすい手段だからです。メールや問い合わせフォームは相手が読むまで答えが分からず、訪問は移動の手間がかかります。電話は、フォームで届けた用件を確かめたり、訪問の前に会う理由をそろえたりする役目で、ほかの手段の間をつなぐ使い方が続いています。
インサイドセールスとテレアポの違いは何ですか?
テレアポは、電話で会う約束を取り付ける作業そのものを指すことが多い言葉です。インサイドセールスは、訪問せずに見込み客と連絡を取り続け、検討が進んだ相手を商談へ渡す役割の名前として使われることが多く、電話はその手段の一つという位置づけになります。どこまでを指すかは会社ごとに違います。役割の分け方や、どちらから立ち上げるかはインサイドセールスとテレアポの違いで整理します。
テレアポとフォーム営業はどちらがよいですか?
どちらか一方を選ぶより、順番を決めて組み合わせるほうが使いやすい手段です。問い合わせフォームは多くの会社に社名と用件を先に届けやすく、電話はその相手に担当者や検討の時期、会ってもらえるかをその場で確かめやすいという違いがあります。先にフォームで用件を届けてから電話で確かめる流れと、先に電話で担当者を確かめてから資料を送る流れのどちらでも、電話の前に相手を絞っておくことが共通の前提です。

出典