法人向けテレアポのトークスクリプトは、名乗り・用件の一言・状況を聞く質問・会う理由・日時の提示の5つのパートに分け、受付用と担当者用を別々に用意します。断られたときの返しは、相手を言い負かすためではなく、次に連絡してよい条件を聞くために置きます。パートごとに目的が決まっていれば、どこで電話が止まったかを記録でき、台本を1か所ずつ直せます。この記事の例文は、社名や商材を「(自社名)」「(商材)」のように空欄にしてあるので、自社の言葉に置き換えて使ってください。

この記事で分かること

  • 5つのパートの役割と、担当者に話すときの例文を1枚にまとめた表
  • 受付で取り次いでもらうための例文3つと、担当者・決裁者それぞれへの話し方
  • よくある断り文句ごとの返し方と次の約束のつなげ方、台本を直す手順

この記事は、企業や団体に電話をかけて商談の約束を取る場面を対象にしています。個人のお宅に電話して商品を勧める電話勧誘や、テレアポのアルバイトを探している方に向けた内容ではありません。

テレアポのトークスクリプトとは|台本を書く前に決める3つのこと

テレアポのトークスクリプトは、電話をかけてから日時の約束を取るまでの流れと、場面ごとの言い回しを書き出した台本です。台本があると、担当者が変わっても話す順番がそろい、「どこで断られたか」を同じ物差しで数えられます。一方で、誰に何の目的で電話するのかが決まらないまま言い回しだけを整えても、話の中身が相手に合わず、途中で切られやすくなります。書き始める前に、次の3つを決めておきます。

電話する相手の条件を1文にする

業種や規模だけでなく、どんな状況にある会社に電話するのかを1文で書きます。たとえば「(業種)で、この半年に拠点を増やした会社」のように、相手が困っていそうな状況まで言葉にしておくと、用件の一言と質問が作りやすくなります。架電リストの絞り込み方と優先順位のつけ方は、インサイドセールスのリスト作成で手順を整理しています。

電話のゴールを1つに絞る

1本の電話で目指す地点を決めます。オンライン面談の日時を決めるのか、訪問の日時を決めるのか、まず資料を読んでもらうのかで、最後に話す内容が変わります。ゴールが複数あると、相手の反応が悪いときに担当者が資料送付へ逃げやすくなるので、台本には「第一のゴール」と「断られたときに次に目指すこと」を分けて書いておきます。

相手の状況の仮説を1文にする

「(業種)の会社では、〇〇の作業に人手を取られているのではないか」という仮説を1文で用意します。仮説は外れてもかまいません。外れたときは相手が実際の状況を教えてくれるので、その答えが次の質問の材料になります。

テレアポの基本の流れ|5つのパートと例文

担当者につながってから日時の約束を取るまでは、次の5つのパートで組み立てます。各パートの目的を先に決め、例文はその目的を果たす言い方の一つとして置きます。

パート このパートでやること 例文(担当者向け)
1. 名乗り 会社名と名前を伝え、何をしている会社かを一言で添える 「お忙しいところ失礼します。(自社名)の(氏名)と申します。(業種)の会社向けに(商材)を提供しています。」
2. 用件の一言 何の件で電話したのかを短く伝え、話を続けてよいかを聞く 「〇〇の作業の負担を減らす(商材)のご案内でお電話しました。2分ほどお話ししてもよろしいでしょうか。」
3. 状況を聞く質問 仮説が当たっているかを1〜2問で確かめ、答えを最後まで聞く 「いま〇〇の作業は、どなたが、どのくらいの頻度でされていますか。」
4. 会う理由 相手の答えを受けて、会うと何が分かるのかを伝える 「そのやり方ですと、(商材)で置き換えられる部分があるかもしれません。30分ほどで、御社の場合にどこまで減らせるかを具体的にお見せできます。」
5. 日時の提示 候補を2つ出し、相手が選べる形にする 「来週火曜日の午前か、木曜日の午後はいかがでしょうか。オンラインでも、お伺いする形でもかまいません。」

例文は当メディアが作成したものです。社名・商材・業種・日時は自社の状況に置き換えてください。

表の順番どおりに話すことにこだわる必要はありません。相手が名乗りの直後に「何の件ですか」と聞いてきたら、用件の一言を先に言います。大切なのは、5つのパートのどこまで話せたかを、通話のあとで振り返れることです。

受付用と担当者用を分けて用意する

受付の方と担当者では、電話に求めていることが違います。受付の方は、誰につなげばよいか、つないでよい電話かを判断する役割を担っているため、商材の説明より「どの部署の誰に、何の件か」が分かれば十分です。担当者は、自分の仕事に関係がある話かを判断したいので、状況を聞く質問と会う理由が必要になります。1本の台本に両方を書くと受付での説明が長くなりがちなので、受付用は名乗りと用件の一言だけの短い台本にし、担当者用に5つのパートを書く形に分けます。

受付突破の伝え方|取り次いでもらうための例文3つ

受付で止まりやすいのは、用件の説明が長いとき、誰につなげばよいかが伝わらないとき、何の電話なのかが分かりにくいときです。受付では、会社名と名前、つないでほしい部署や役割、用件の一言の3つを短く伝えます。「以前お話しした件で」「社長からのご依頼で」のように、事実と違う言い方で取り次いでもらおうとするのはやめましょう。担当者につながった時点で不信感を持たれ、会社としての信用も損ないます。

例文1|担当部署が分かっているとき

「お世話になっております。(自社名)の(氏名)と申します。(商材)のご案内で、〇〇部のご担当の方にお電話しました。おつなぎいただけますでしょうか。」

「営業部の方」「総務のご担当の方」のように部署や役割を具体的に言うと、受付の方が迷わずに済みます。

例文2|担当者が誰か分からないとき

「(自社名)の(氏名)と申します。〇〇の業務に関わる(商材)のご案内でお電話しました。御社では、こうした件はどちらの部署でご担当されていますか。」

いきなり「ご担当者様をお願いします」と言うより、どの部署が扱うかを聞くほうが、受付の方は答えやすくなります。部署名が分かったら台本とリストに書き残し、次の電話ではその部署名で取り次ぎを頼みます。

例文3|不在と言われたとき

「承知しました。何時ごろお戻りのご予定でしょうか。こちらから改めてお電話いたしますので、ご担当の方のお名前を伺ってもよろしいでしょうか。」

折り返しを頼むと相手に手間をかけるうえ、こちらは連絡を待つだけになるので、自分から架け直す前提で、戻りの時刻と担当者の名前を聞きます。名前を教えてもらえなかった場合も、部署名と戻りの時刻を記録しておけば次の電話につなげられます。担当者の先にいる決裁者へどう届くかは、決裁者に会えない営業を変える4つの到達経路で整理しています。

担当者・決裁者に話すときの例文

担当者につながったら、5つのパートに沿って話します。担当者と決裁者では関心の置きどころが違うため、質問と会う理由の中身を変えます。

担当者への例文

「(自社名)の(氏名)と申します。(業種)の会社向けに(商材)を提供しています。〇〇の作業の負担を減らすご案内でお電話しました。2分ほどよろしいでしょうか。」

(相手が応じたら)「ありがとうございます。いま〇〇の作業は、どなたがどのくらいの頻度でされていますか。」

(答えを受けて)「月末にまとめて手作業でされているのですね。その部分は(商材)で置き換えられる可能性があります。30分ほどで、御社の場合にどこまで減らせるかをお見せしたいのですが、来週火曜日の午前か木曜日の午後はいかがでしょうか。」

担当者は、日々の作業の困りごとに近い位置にいます。「どれくらいお困りですか」のような抽象的な聞き方より、誰が、いつ、どのくらいの頻度で、のように答えやすい事実を聞くほうが会話は続きます。相手の答えを一度言い換えてから会う理由に進むと、話を聞いてもらえたという印象も残ります。

決裁者への例文

「(自社名)の(氏名)と申します。〇〇にかかる人手と時間を減らす(商材)のご案内でお電話しました。御社では今期、〇〇の体制を見直すご予定はありますか。」

(答えを受けて)「ありがとうございます。導入までにかかる期間と、現場の作業がどう変わるかを1枚にまとめてお持ちできます。20分ほどお時間をいただけないでしょうか。」

決裁者は、現場の作業の細かな手順より、費用に見合うか、いつ判断が必要か、現場の負担が増えないかを気にします。そのため会う理由としては、判断に必要な材料を持っていくことを伝えます。

質問への答えごとに次の一言を書いておく

状況を聞く質問への答えは、おおむね「困っている」「困っていない」「別の方法で対応している」の3つに分かれます。台本には、それぞれの答えに対する次の一言を書いておきます。困っていない場合は会う理由を押しつけず、どんな状況になったら検討するかを聞き、その時期に連絡してよいかを確かめます。別の方法で対応している場合は、今のやり方で気になっている点がないかを1つだけ聞きます。

断られたときの返し方|次に連絡してよい条件を聞く

切り返しというと、断り文句に反論して話を続ける技術のように受け取られがちです。法人向けの電話では、相手の都合を受け止めたうえで「いつ、どんな条件なら改めて連絡してよいか」を聞くために使います。1回の電話で押し返すのは1回までと台本で決めておくと、担当者が無理に粘って相手の印象を損ねることを防げます。

断り文句 返し方の例 次の約束
「間に合っています」 「承知しました。いまはどのような方法でされていますか。見直すとしたら、どんなときでしょうか。」 見直す時期が出たら、その時期に改めて連絡してよいかを聞く
「今は忙しいので」 「失礼しました。改めてお電話するなら、何日の何時ごろがよろしいでしょうか。」 架け直す日時を相手に決めてもらう
「資料を送っておいてください」 「ありがとうございます。どの点を中心にまとめるとご覧いただきやすいでしょうか。お送りしたあと、何日ごろにご感想を伺ってもよろしいですか。」 送り先と、感想を聞く日を決める
「予算がありません」「今は検討していません」 「承知しました。来期の予算を決めるのはいつごろでしょうか。その少し前に、情報だけお届けしてもよろしいですか。」 予算を決める時期の前に連絡してよいかを聞く
「ほかの会社に頼んでいます」 「そうでしたか。契約を見直すのはいつごろになりますか。その時期に、比べる材料としてお話しできればと思います。」 見直しの時期と、その時期に連絡してよいかを聞く
「営業の電話はお断りしています」 「失礼いたしました。今後のご連絡も控えたほうがよろしいでしょうか。」 控えてほしいと言われたら、その会社をリストから外して記録する

例文は当メディアが作成したものです。自社の商材や相手の状況に合わせて言い回しを変えてください。

表の右の列が空欄のまま電話を切らないことを、台本のルールにしておきます。日時や時期が聞けなかった場合でも、「連絡は控えてほしい」「半年後なら話を聞ける」のように、次にどうするかを1つ決めて記録します。連絡を控えてほしいと言われた相手には担当者が変わっても電話しないよう、リストに印を付けてチームで共有しておきましょう。

台本を直す手順|止まったパートを記録して1か所ずつ変える

台本は一度作って終わりではなく、電話の結果を見ながら直していきます。直すときは言い回しの好みで変えるのではなく、どのパートで止まっているかを数えてから手を入れます。

記録して直す4つの手順

  1. 通話ごとに止まったパートを記録する。受付で断られた、名乗りの直後に切られた、質問に答えてもらえなかった、日時の提示で断られた、のように、受付と5つのパートのどこで終わったかを1つ選んで残します。
  2. いちばん多く止まっているパートだけを直す。複数のパートを同時に変えると、どの変更が効いたのかが分からなくなります。
  3. 同じ条件のリストである程度の件数を試してから比べる。リストの中身が違うと、台本の差なのかリストの差なのかを見分けられません。
  4. うまくいった言い回しと、よく出た断り文句を台本に書き足す。担当者の頭の中にだけある工夫を台本に戻し、全員で使えるようにします。

そもそも電話に出てもらえない、受付で止まる割合が高いという場合は、台本より先にリストや電話をかけるタイミングを見直すほうが早いことがあります。見直す順番はテレアポが繋がらない3つの原因と直す順番で扱っています。担当者とは話せるのに次に進まない場合は、会う理由の作り方を商談化率を上げる初回アプローチの設計で確認してください。訪問して話す場面の台本は、飛び込み営業のトーク例とスクリプトで受付・担当者・決裁者別にまとめています。

棒読みにしないための台本の持ち方

台本を一字一句読み上げると、相手の答えに合わない言葉が続き、会話がかみ合わなくなります。覚えるのは言い回しではなく、各パートで何を確かめるかと質問の中身です。名乗りと用件の一言は短いので覚えてしまい、質問から先は台本を手元に置いたまま、相手の答えを一度言い換えてから次のパートに進むと、話の流れが自然になります。

なお、特定商取引法の電話勧誘販売の規定は相手が「営業のために若しくは営業として」結ぶ契約には適用されません(同法第26条第1項第1号)が、消費者庁の通達は、相手が事業者や法人であるだけで一律に適用除外になるわけではなく、主に個人用・家庭用に使うための契約には原則として規定が適用され、事業実態がほとんどない零細事業者との契約にも適用される可能性が高いとしています。

電話営業を外に任せる場合に確かめること

社内に電話をかける人手や時間がない場合は、テレアポを外部に任せる方法もあります。任せる場合も、台本を誰が作るのか、断られたときの返し方や連絡を控えてほしいと言われた相手の扱いをどう決めるのか、通話ごとに何を記録して報告してもらうのかを、稼働前に確認しておきましょう。この記事の5つのパートの表と断り文句の表は、委託先と台本の中身をすり合わせるときのたたき台にも使えます。成果報酬型で頼むときのアポの数え方はテレアポ代行の成果報酬型で、電話営業そのものを続けるか別の手段に切り替えるかの考え方はテレアポは時代遅れかで整理しています。

当メディアを運営するLongWave株式会社の営業支援サービス「エイギョウブ」では、実行支援メニューとして、電話営業(BDR/SDR)、フォームDM(1日最大500件のアプローチ)、SNS運用(LinkedIn)、交流会・展示会、即戦力人材アサイン(最短数日で稼働)、マルチチャネルを掲載しています。

電話営業の支援事例として、エイギョウブのLPに掲載している支援実績では、家賃保証サービスを提供する企業の依頼で、全国の不動産会社を対象にテレアポで新規開拓を代行し、月35件以上の商談獲得を継続、アポからの受注率40%以上を維持しています。LPに掲載している支援実績で、数値は対象期間や条件により異なります。業種や対象企業が変われば、同じ結果になるとは限りません。

エイギョウブの料金は、サービスページに掲載している月額料金の目安で、トライアルが30万円〜/月(税別)、標準が50万円〜/月(税別)、上位のプランは個別見積りです。支援範囲や体制に応じて変わるため、相談の際に確認してください。

まとめ|台本は5つのパートに分け、止まった場所から直す

法人向けテレアポのトークスクリプトは、話す順番を固定するためだけでなく、電話がどこで止まったかを数えて直せるようにするために作ります。

  • 書く前に、電話する相手の条件、電話のゴール、相手の状況の仮説をそれぞれ1文で決める
  • 担当者用は名乗り・用件の一言・状況を聞く質問・会う理由・日時の提示の5つのパートで組み、受付用は名乗りと用件の一言だけの短い台本に分ける
  • 受付では会社名と名前、つないでほしい部署、用件の一言を伝え、事実と違う言い方で取り次いでもらおうとしない
  • 断られたときは次に連絡してよい時期や条件を聞き、連絡を控えてほしいと言われた相手はリストから外して共有する
  • 通話ごとに止まったパートを記録し、いちばん多いパートから1か所ずつ直す

よくある質問(FAQ)

テレアポのトークスクリプトとは何ですか?
テレアポのトークスクリプトは、電話をかけてから商談の日時を約束するまでの流れと、場面ごとの言い回しを書き出した台本です。法人向けでは、名乗り・用件の一言・状況を聞く質問・会う理由・日時の提示の5つのパートに分けて作ると、担当者が変わっても話す順番がそろいます。受付の方に話す短い台本と担当者に話す台本を分けて用意し、よくある断り文句への返し方も書き添えておきます。通話ごとにどのパートで止まったかを記録すれば、直す場所も分かります。
テレアポで受付に断られないようにするには?
受付では、会社名と名前、つないでほしい部署や役割、用件の一言の3つを短く伝えます。受付の方は誰につなげばよい電話かを判断する役割を担っているため、商材の説明を長く話すより、どの部署の誰に何の件かが分かるほうが取り次いでもらいやすくなります。担当部署が分からない場合は「こうした件はどちらの部署でご担当ですか」と聞きます。事実と違う言い方で取り次いでもらおうとすると、担当者につながった後に信用を失うので避けてください。
受付で「営業の電話ですか」と聞かれたらどう答えればいいですか?
「はい、(商材)のご案内でお電話しました」と、そのまま認めて答えます。ごまかすと、取り次いでもらえたとしても担当者に不信感を持たれます。認めたうえで、どの部署のどんな業務に関わる話かを一言添え、おつなぎいただけるか、担当の部署はどちらかを聞きます。「営業の電話はお断りしています」と言われた場合は、今後の連絡も控えたほうがよいかを確かめ、控えてほしいと言われたら、その会社をリストから外して社内で共有します。
トークスクリプトを使うと棒読みになりませんか?
台本を一字一句読み上げると棒読みになりやすいため、言い回しではなく、各パートで何を確かめるかを覚えるようにします。名乗りと用件の一言は短いので覚えてしまい、状況を聞く質問から先は、相手の答えを一度言い換えてから次のパートに進みます。例文は言い方の一つとして置き、担当者が自分の言葉で話してうまくいった言い回しは台本に書き足して、全員で使える形にしていきます。

出典