営業代行を大手に頼むか中小に頼むかで違いが出る可能性があるのは、体制の厚み、増員と立ち上げの速さ、拠点と対応エリア、最低発注の規模、情報管理の仕組み、進め方の柔軟さの6つです。ただし、大手でも実際に営業するのが再委託先ということがあり、中小でも体制の厚い会社はあります。会社の規模ではなく、自社の案件で誰が動き、何が報告されるかで選んでください。
この記事は、営業の外注先を大手の営業代行会社にするか、中小の会社にするかで迷っている経営者・営業責任者・発注担当者に向けたものです。大手と中小で料金や成果がどれだけ違うかを示した公的な統計や調査は、今回の調査では見つかりませんでした。そのため数字で比べることはせず、規模の話を、見積書と契約書案で確かめられる質問に置き換えています。自社がそもそも営業代行を使うべきかから考えたい場合は、中小企業は営業代行を使うべきかを先に読んでください。
この記事で分かること
- 大手と中小で違いが出る可能性がある6つの点と、見積書・契約書のどこで確かめるか
- 人数や拠点が条件になる案件と、担当する人や進め方が効く案件の分け方
- 再委託や担当者の交代など規模だけでは分からないことと、規模や上場の有無の確かめ方
大手の営業代行と中小の営業代行で違いが出る可能性がある6つの点|規模から推測せず書面で確かめる
営業代行の「大手」に決まった定義はありません。売上、従業員数、拠点の数、支援した社数のどれで測るかによって、大手と呼ばれる会社の顔ぶれは変わります。「大手だから安心」「中小だから不安」と規模で決めるより、規模によって差が出るかもしれない点を一つずつ質問にして、見積書と契約書案で答えを確かめるほうが判断の根拠がはっきりします。
| 観点 | 確かめる質問 | 見積書・契約書のどこで見るか |
|---|---|---|
| 体制と担当交代 | 自社の案件に何人が、どの役割で付くか。担当が抜けたら誰が引き継ぐか | 見積書の体制・人数の欄、契約書の業務範囲と担当者の変更に関する条項 |
| 増員と立ち上げの速さ | 契約から稼働開始まで何日かかるか。稼働中に何人まで、何週間で増やせるか | 見積書のスケジュールと増員時の料金、契約書の業務内容の変更に関する条項 |
| 拠点と対応エリア | 自社の営業先の地域で動ける人がいるか。交通費や出張費はどちらが持つか | 見積書の対象エリアと経費の欄、契約書の費用負担の条項 |
| 最低発注の規模と契約期間 | 月額の下限、最低の稼働人数、最低契約期間はどうなっているか。途中でやめるときの条件は何か | 見積書の料金の前提条件、契約書の契約期間・中途解約・自動更新の条項 |
| 情報管理 | 顧客情報を誰がどこで扱い、契約終了後にどうするか。代行会社が用意するリストはどこから入手したか | 契約書の秘密保持・個人情報の取扱い・再委託の条項 |
| 報告と進め方の柔軟さ | 報告の頻度と様式はどうか。トークや対象を途中で変えたいとき、誰に頼み何日で反映されるか | 見積書の報告・定例会の欄、契約書の報告と業務内容の変更に関する条項 |
出典: 表は編集部の整理。情報管理のうち法令に関わる部分の根拠は本文と記事末尾の出典に記載(確認日 2026-09-15)。
候補の会社を、料金や成果の定義まで含めて同じ表に並べる方法は、営業代行の比較で揃える軸と相見積もりの比較表で扱っています。ここでは、会社の規模に関わる6つの点に絞って説明します。
体制と増員|担当が抜けたとき、人を増やすときにどうなるか
体制の厚みで確かめたいのは、会社全体の人数ではなく、自社の案件に何人がどの役割で付くかです。リストを作る人、電話やメールで接点を作る人、商談に出る人、全体を管理する責任者が別々にいるのか、一人が兼ねるのかで、担当者が休んだり辞めたりしたときの影響が変わります。引き継ぐのは誰か、引き継ぎの間に稼働が止まるか、交代を発注側に知らせるかを聞いておきましょう。
増員と立ち上げの速さも、規模だけでは判断できません。人数の多い会社でもほかの案件に人が付いていればすぐには増やせないことがあり、少人数の会社でも外部の人材と組む仕組みを持っていれば短い期間で増やせることがあります。契約から稼働開始までの日数、稼働中に増やせる人数の上限と必要な期間、増やした人の研修を誰が担うか、増員したときの料金の変わり方を、見積もりの段階で確かめてください。
拠点と最低発注の規模|自社の商圏と予算に合うか
訪問営業を頼むなら、営業先の地域に拠点や稼働できる人がいるか、いなければ交通費や出張費をどちらが持つかが問題になります。拠点の数が多いことと、自社の営業先の地域で動けることは同じではありません。「どの市に、週に何日訪問できるか」と具体的に聞くと、各社の答えを比べやすくなります。電話やオンラインで完結する営業なら、拠点の場所は判断材料として小さくなります。
最低発注の規模は、月額の下限、最低の稼働人数、最低契約期間の3つに分けて確かめます。契約期間について、比較メディアや代行会社のコラムでは、月額固定型は3〜6か月が一般的とされています(ローカルマーケティングパートナーズ、BowNow)。一方で、コール課金型は1か月から、成果報酬型には商談1件から対応する会社もあると紹介されています(BowNow)。これらは会社の規模ごとの数字ではありません。小さく試したい場合は、下限の条件と途中でやめるときの条件を、見積もりの段階で書面にしてもらいましょう。
情報管理と報告|顧客情報の扱いと、途中で変えられる範囲
顧客リストなど個人データの取扱いを営業代行会社に任せる場合、個人情報保護法は委託元の会社に、委託先への必要かつ適切な監督を求めています(第25条)。発注側にも、代行会社がデータをどう管理しているかを確かめる理由があるということです。管理の仕組みがあるかどうかは会社の規模では決まらないので、社内の規程があるか、データに触れられる人をどう限っているか、契約終了後にデータを返すか消すかを個別に聞きます。
代行会社がリストを用意する場合は、その出どころも確かめます。名簿業者から名簿を買うこと自体は禁止されていませんが、個人情報保護委員会のQ&Aは、購入の際に相手が個人データを取得した経緯などを確認し、記録する必要があるとしています。どこから入手したリストか、その確認を記録しているかを聞いておくと、あとで出どころを説明できなくなる事態を避けられます。
報告と進め方の柔軟さでは、報告の頻度と様式、定例の場に誰が出るか、トークや対象リストを途中で変えたいときに誰に頼み、何日で反映されるかを確かめます。決まった手順で多くの案件を回す仕組みは品質をそろえやすい反面、個別の変更に社内の手続きが要ることがあります。反対に、変更に応じやすくても報告の様式が決まっていなければ、月ごとの結果を比べにくくなります。見積もりから稼働開始までのどの段階でこれらを聞くかは、営業代行を依頼する流れと契約前の確認事項が参考になります。
規模が決め手になりやすい案件、なりにくい案件|自社の条件で分ける
大手と中小のどちらが優れているかではなく、案件の条件によって、会社の規模が決め手になるかどうかが変わります。自社の案件がどちらの条件に近いかを先に整理しておくと、候補の選び方がはっきりします。
人数や拠点そのものが条件になる案件
- 全国の複数の地域へ、同じ時期に営業を広げたい
- 稼働開始から短い期間で、一度に多くの人数を稼働させたい
- 担当者が入れ替わっても、長い期間稼働を止めずに続けたい
- 自社の規程で、委託先に情報管理の体制を示す書類の提出や監査の受け入れを求める必要がある
こうした案件では、稼働できる人数と拠点、交代の要員、管理の手続きを持っているかどうかが条件そのものになるため、規模の大きい会社を候補に入れる理由になります。ただし、条件を満たすかは規模から推測せず、前の章の6つの質問で確かめてください。
人数より、担当する人と進め方が効く案件
- 業界や地域を絞って営業したい
- まず少人数・短い期間で反応を確かめてから広げたい
- 商材の説明に専門知識が要り、同じ担当者に続けて担当してほしい
- トークや対象を、結果を見ながら細かく変えていきたい
こうした案件では、稼働できる人数の多さより、担当する人がその業界を知っているか、少ない発注量でも受けてもらえるか、途中で進め方を変えられる契約かが効きます。会社の規模は決め手になりにくいので、中小の会社も候補に入れて比べる理由になります。商材や業種によって営業代行そのものが合うかどうかは、営業代行が向いている業種・向かない業種で整理しています。
規模だけで選ぶと見落とすこと|実際に営業する人は誰か
実際に営業する人と、再委託の有無
契約の相手が大手の営業代行会社であっても、実際に電話をかけたり訪問したりする人がその会社の社員だとは決まっていません。業務の一部を別の会社や個人に再委託していることがあるからです。契約先の会社の規模と、自社の案件を担当する人の所属は、分けて確かめてください。
公正取引委員会と中小企業庁のテキストは、広告会社が広告主から請け負った販売促進業務の一部をイベント会社に委託することを、取適法(旧下請法)の役務提供委託に当たる例に挙げています。営業代行会社が請けた営業を別会社や個人に再委託する場合も、同じ考え方で対象になり得ます。また厚生労働省のガイドは、再委託先と請負業者の間に雇用関係がない限り労働者派遣法との関係では問題にならない一方、実態から労働者性があり、注文主から指揮命令を受けていれば偽装請負になるとしています。
見積もりの段階では、再委託の有無、再委託先が会社か個人か、再委託するときに発注側へ知らせるか承諾を取るか、自社の案件を担当する人がどこに所属しているかを聞きます。業務委託の形で頼むときに偽装請負を避ける条件は営業を業務委託で頼む方法で、個人に直接頼む場合の進め方は営業代行をフリーランスに依頼する方法で説明しています。
担当者が交代する頻度
会社の人数が多いことは、担当者が変わらないことを意味しません。案件の割り振りの見直しや異動で担当が替わると、商材の理解やこれまでの経緯を伝え直す手間が発注側にもかかります。過去の案件で担当がどれくらいの期間続いたか、交代するときは何日前に知らせるか、引き継ぎの資料を誰が作るかを聞いておきましょう。
会社が実在するか、必要な許可を持っているかといった基本の確認は、規模にかかわらず欠かせません。確認の項目は営業代行が怪しいと感じたら確認する7項目にまとめています。稼働したあとに起きやすい揉めごとと防ぎ方は、営業代行のトラブルで扱っています。
会社の規模や上場の有無の確かめ方|会社概要・登記・開示資料・許可番号
「大手」「上場企業」という言葉は、会社の資料で確かめられます。主な方法を4つ挙げます。
- 会社概要: 設立年月日、資本金、所在地、事業内容を確かめます。営業代行以外の事業も営んでいる会社では、会社全体の数字と営業代行の体制を分けて読みます。
- 登記: 商号、本店の所在地、資本金の額などは、登記事項証明書で確かめられます。
- 上場企業の開示資料: 上場している会社は有価証券報告書などを公開しており、事業の内容や従業員の数を確認できます。ただし、自社の案件に何人が付くかまでは分かりません。
- 許可番号: 自社で雇用する労働者を他社の指揮命令のもとで働かせる労働者派遣事業には、厚生労働大臣の許可が必要です。有料の職業紹介事業にも厚生労働大臣の許可が必要です。人材の派遣や紹介もあわせて提供している会社なら、許可番号が示されているかを確かめます。
サービスページに載っている支援社数や登録人材数も、規模を知る手がかりになります。ただ、いつ時点の数字か、登録している人と実際に稼働している人のどちらを数えているかは、ページだけでは分からないことがあります。気になる数字があれば、数え方を聞いてください。
エイギョウブの規模と体制|数字の意味と、見積もりで確かめること
当メディアを運営するLongWave株式会社は2022年2月18日に設立し、資本金は2,500万円です。本社は東京都千代田区麹町1丁目8-1 THE GATE HANZOMON、福岡支社は福岡県福岡市中央区天神2-2-12 T&Jビルディング7Fにあります。
営業支援サービス「エイギョウブ」のサービスページでは、支援企業は100社以上、営業人材の登録は1,000名以上と掲載しています。どちらの数字にも時点は記載していません。訪問営業については800人規模の訪問営業部隊を持つとしており、ページ上の表記は「累計800人規模の部隊」です。自社の案件で何人がどの役割で稼働するかは、これらの数字とは別に、お見積りの際に確認してください。
営業支援の契約は3〜6か月を基本にしています。これは契約期間の基本的な考え方で、最低契約期間や途中でやめるときの条件を示したものではありません。対応できるエリアも、お見積りの際に確認してください。この記事で挙げた6つの点は、エイギョウブを検討するときにもそのまま使えます。
まとめ|規模ではなく、自社の案件で誰が動き何が報告されるかで選ぶ
営業代行を大手に頼むか中小に頼むかで違いが出る可能性があるのは、体制と担当交代、増員と立ち上げの速さ、拠点と対応エリア、最低発注の規模と契約期間、情報管理、報告と進め方の柔軟さの6つです。どれも会社の規模から推測せず、見積書と契約書案で確かめられます。
全国へ同時に広げる、一度に多くの人数を稼働させるといった案件では、人数と拠点を持っているかが条件になります。業界や地域を絞る、小さく試してから広げるといった案件では、担当する人と進め方が効きます。どちらの場合も、大手でも実際に営業するのが再委託先のことがあり、中小でも体制の厚い会社はあります。上場の有無や会社の大きさより、自社の案件で誰が動き、何が報告されるかで選んでください。
よくある質問(FAQ)
- 大手の営業代行会社はどこですか?
- この記事では社名を挙げていません。営業代行の「大手」に決まった基準はなく、売上、従業員数、拠点の数、支援した社数のどれで測るかによって顔ぶれが変わるためです。候補は比較サイトや検索で集め、会社概要、登記、上場している会社なら有価証券報告書などの開示資料で規模を確かめてください。そのうえで、自社の案件に何人が付くか、再委託があるか、何が報告されるかを見積もりで聞き、同じ条件で比べると判断の根拠がはっきりします。
- 大手の営業代行のほうが費用は高いですか?
- 会社の規模と料金の関係を示した公的な比較データは、今回の調査では見つかりませんでした。料金は稼働人数、期間、業務範囲、成果の定義で変わるので、これらの前提をそろえて各社の見積もりを比べてください。なお、アポイント1件の目安を中堅〜大企業向けのBtoB商材で3万〜5万円、SMB向けの比較的シンプルな商材で1.5万〜2万円とする媒体があります(ローカルマーケティングパートナーズ、税区分の記載なし)。これは営業する相手の企業の規模による違いで、発注先の代行会社の規模の話ではありません。
- 上場企業の営業代行会社なら安心ですか?
- 上場していることは会社全体の情報を確かめやすい理由にはなりますが、自社の案件の進め方を約束するものではありません。有価証券報告書などの開示資料では事業の内容や従業員の数を確認できますが、実際に営業する人が社員か再委託先か、担当者がどれくらいの頻度で替わるか、報告に何が載るかまでは分かりません。上場の有無にかかわらず、体制、再委託の有無、情報管理、報告の様式を見積書と契約書案で確かめてください。
- 中小の営業代行会社に頼むときの注意点は?
- 担当者が抜けたときの引き継ぎ、増やせる人数の上限、情報管理の3点を先に確かめてください。少人数の体制では、一人が休んだり辞めたりしたときの影響が大きくなることがあるため、交代の要員と引き継ぎの方法を聞いておきます。顧客リストなど個人データの取扱いを任せる場合、個人情報保護法は委託元に委託先の監督を求めているので、規模にかかわらず管理の方法と契約終了後の返却・削除を契約書で決めます。途中で広げる予定があるなら、増員の上限と料金も見積もりの段階で聞いてください。
出典
- 営業代行の費用(ローカルマーケティングパートナーズ・更新日 2026-05-22)確認日 2026-09-15
- テレアポ代行費用(BowNow・更新日 2026-05-21)確認日 2026-09-15
- 成果報酬型の営業代行(BowNow・更新日 2026-08-06)確認日 2026-09-15
- 個人情報の保護に関する法律 第25条(e-Gov法令検索・2026-07-17施行版)確認日 2026-09-15
- 「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A Q4-2(個人情報保護委員会・令和7年7月1日更新版)確認日 2026-09-15
- 中小受託取引適正化法テキスト 16ページ(公正取引委員会・中小企業庁・令和7年11月)確認日 2026-09-15
- 労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド【参考:偽装請負について】4ページ(厚生労働省・都道府県労働局)確認日 2026-09-15
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第2条・第5条第1項(e-Gov法令検索・2026-04-01施行版)確認日 2026-09-15
- 職業安定法 第30条第1項(e-Gov法令検索・2026-04-01施行版)確認日 2026-09-15



